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行動変化に誘導する「ナッジ」で官治金融を革新せよ

行動変化に誘導する「ナッジ」で官治金融を革新せよ

Posted May. 31, 2018 08:55,   

Updated May. 31, 2018 08:55

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東亜(トンア)日報とチャンネルAは昨日、「デジタル金融と行動経済」というテーマで「2018東亜国際金融フォーラム」を開催した。金融と経済分野の国内外の碩学と専門家たちが出席した中、基調講演を務めたリチャード・セーラー米シカゴ大学ブース経営大学院教授は、「韓国の金融産業は供給者の視点から抜け出し、消費者の行動パターンと認知心理の分析を通じて革新できる」と強調した。

セーラー教授は2017年、行動経済学を巡る成果でノーベル経済学賞を受賞した。人間は常に合理的な選択をするという主流経済学とは異なり、行動経済学に於いて人間は非合理的選択をすることがあるとみている。彼はこのような行動経済学の原理を基に、わき腹を軽く突くような柔らかい勧めで、他人の正しい選択を助けるといういわば「ナッジ(Nudge・軽く突く)」で、人々の行動を前向きに変えることができると助言する。規制ですべてのことを解決する「規制万能主義」ではなく、きめ細かく設計された介入が人々の行動変化を引き出すということである。

セーラー教授のこのような洞察は、金融を規制と統制の対象と受け止めている韓国金融に示唆するところが少なくない。世界経済フォーラム(WEF)が2016年に発表した国家競争力順位のうち金融分野で、韓国は87位で、ウガンダ(81位)より遅れていたことが衝撃を与えた。同日行事に出席した金容兌(キム・ヨンテ)国会政務委員長も、「政府が率いる金融官治と(金融を)イデオロギーと価値に利用する政治圏の金融政治が、大韓民国の金融を産業ではなく、我々の生計手段のような生けす養殖金融にしている」と指摘した。

消費者に責任を転嫁する公認認証書とゴマ粒のように書かれている金融契約書、融通の利かない個人情報保護法など、少し問題が発生する可能性があるだけで全面的に禁止したり、責任を回避する方法だけを探してきたのが韓国金融の現状だった。昨年、紆余曲折の末に誕生したインターネットバンク2社も金産分離規制にかかって、当初期待していた金融産業の革新のための「ナマズ」の役割ができずにいる。韓国は1500兆ウォンに迫る家計負債の管理と高齢化に伴う老後資産の不足、金融脆弱階層の低い金融理解度など、当面の課題が山積している。金融当局は、今回のフォーラムを通じて、金融消費者の視点から問題にアプローチし、これを革新的な成長エンジンへとつなげる方法を模索しなければならない。