数十年間人の手が届かず野生動植物の宝庫となった非武装地帯(DMZ)に、絶滅危機野生生物101種が生息していることが確認された。
13日、環境部傘下の国立生態院によると、267種の絶滅危機野生生物のうち、37.8%がDMZに生息している。それほどDMZは、絶滅危機野生生物の重要な生息地として位置づけられている。これは生態院が2014年から昨年まで、東部海岸と東部山岳、西部平野のDMZ一帯の3つの圏域の生態系を調査した資料と、1974年から累積された調査資料とを比較・分析した結果だ。
DMZで確認された絶滅危機野生生物101種のうち1級(個体数が著しく減少し絶滅危機に瀕した野生動植物)は計18種で、△ジャコウジカとヤギなどの哺乳類6種、△ツルとイヌワシなどの鳥類10種、△水原アマガエル(両生類)、△シラヒゲカマツカ(魚類)などだ。 △エンビセンノウ、△テン、△ミヤコドリ、△金カエル、△トゲウオ、△ベッコウトンボなどの絶滅危機野生生物2級(近い将来に絶滅危機に瀕するおそれのある野生動植物)83種も発見された。
絶滅危機野生生物1級であるジャコウジカは、世界自然保全連盟(IUCN)の絶滅危機に瀕した動植物リストであるレッドリストにも「緊急(CR)」に分類されているほど、絶滅危機に直面している。レッドリストは、絶滅危険性の程度に応じて、△絶滅、△野生絶滅、△緊急、△危機、△脆弱、△準脅威、△関心対象、△情報不足、△未評価の9つのカテゴリーに動植物を分ける。鶴は「危機(EN)」、ヤギとマナヅルは「脆弱(VU)」に分類されている。
DMZに生息する野生生物は、絶滅危惧種を含めて計5929種だ。特に、△東部楊口(ヤング)、△高城(コソン)、△西部漣川(ヨンチョン)、△中部華川(ファチョン)、△鉄原(チョルウォン)一帯に様々な野生生物が生息していることが分かった。特に、昨年6月は希少種であるマルコブオニグモが民間人統制線以北地域である漣川郡で発見された。これは2006年に月岳山(ウォルアクサン)で、韓国国内では初めて報告された後、約10年ぶりに発見されたものだ。
種類別には、△昆虫類=2954種、△植物=1926種、△底捿性大型無脊椎動物=417種、△鳥=277種、△クモ=138種、△淡水魚類=136種、△哺乳類=47種、△両生・爬虫類=34種などだ。
専門家は、DMZがユネスコ生物圏保全地域に選ばれて保存されるように、南北が一緒に推進しなければならないと主張している。李炳鉉(イ・ビョンホン)ユネスコ駐在韓国大使は先月、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「ユネスコ内の世界遺産委員会構成国の大使らがDMZに『生態系の保全がよくできているので、すぐに自然遺産として登録しても遜色がない』と絶賛した」と語った。韓国は2012年、DMZのうち、韓国区域のみでも単独で生物圏保全地域の選定を推進したが、北朝鮮の反対で挫折した。
金貴坤(キム・グィゴン)ソウル大学名誉教授は、「DMZには多様な野生生物が生息しているだけでなく、湿地もよく発達している」とし、「保存価値の高い重要地域と緩衝地域を最初に指定し、そのほかの地域で経済協力や観光などが行われるように推進しなければならない」と語った。
キム・ハギョン記者 whatsup@donga.com