「藁をもつかむ気持ちでドイツ戦を準備した」
サッカー韓国代表の申台龍（シン・テヨン）監督は、ロシア・ワールドカップ（Ｗ杯）グループリーグ最終戦ドイツ戦を控えて、切羽詰まった心境を語った。２敗でグループリーグ敗退の危機に瀕している韓国は２７日午後１１時、カザン・アリーナでドイツと対戦する。国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング１位のドイツ（韓国は５７位）は、初戦でメキシコに足元をすくわれたが、第２戦のスウェーデン戦で逆転勝利を挙げ、勢いに乗った。しかし、ドイツも決勝トーナメント進出を安心できない。ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督も、「韓国戦の勝利だけを考えている」と総力戦で臨むことを明確にした。
米国の経済専門メディア「ビジネスインサイダー」によると、ドイツ代表選手の市場価値は１兆１４３２億ウォンに上るという。韓国代表選手を全部合わせた市場価値は１０９９億ウォン。「ゴリアテとダビデの戦い」なのだ。それでも、是が非でも勝たなければならない。韓国がドイツに１点差で勝ちメキシコがスウェーデンに２点差で勝利するか、韓国がドイツに２点差で勝利し、メキシコがスウェーデンに勝てば韓国とメキシコが決勝トーナメントに進出する。
●最前線には「黄孫コンビ」か
韓国は高速カウンターを得意とする「黄孫コンビ」黄喜燦（ファン・ヒチャン）と孫興民（ソン・フンミン）を２トップに立てる可能性が高い。
ドイツの足の速い中央ＤＦジェローム・ボアテングがスウェーデン戦で退場処分を受け、韓国戦は欠場する。その隙を狙うものと予想される。初戦と第２戦で黄喜燦の全力疾走の最高速度は時速３３．３キロ（韓国代表で１位）で、孫興民は３１．９キロ（３位）だった。
ドイツ・ブンデスリーガのＳＣハンブルガーＳＶ（２０１０～２０１３年）、レバークーゼン（２０１３～２０１５年＝１軍基準）でプレーした孫興民はドイツ守備陣の特徴を良く把握している。メキシコ戦で圧巻のミドルシュートで得点を挙げ、感覚を取り戻した状態だ。黄喜燦はメキシコ戦で速いサイド突破能力を見せつけた。しかしＧＫと１対１の場面でシュートをせず、パスをして決定機を逃す場面もあった。黄喜燦は「メキシコ戦でのミスを考えると悔しくて腹が立つ。ドイツ戦では必ずゴールを入れたい」と話した。
●奇誠庸不在の中盤は「栄哲コンビ」か
韓国の中盤の問題は、主将のＭＦ奇誠庸（キ・ソンヨン）が左足ふくらはぎを負傷しドイツ戦に出れないことだ。ドイツのトニ・クロース、メスト・エジルら世界的なＭＦを多数擁している。とくにクロースは初戦と第２戦で平均９４％の高いパス成功率を記録し、「戦車軍団のエンジン」役を全うした。
メキシコ戦で奇誠庸と朱世種（チュ・セジョン）が立った中盤には、「栄哲コンビ」こと鄭又栄（チョン・ウヨン）と具滋哲（ク・ジャチョル）の起用が予想される。８年間をドイツでプレーしている具滋哲（ク・ジャチョル）は攻撃的ＭＦと守備的ＭＦの両方を経験しており、攻守の要としての仕事が可能だ。鄭又栄は相手の突破を阻止する守備センスと相手守備の裏に縦のロングボールを繰り出す能力を備えている。
●もう一度「金＆張」か、それとも３バックか
ドイツは前線のＦＷティモ・ヴェルナーとサイドアタッカーのトーマス・ミュラーを中心にした攻撃が威力的だ。２０１７～２０１８シーズンに所属クラブで２１得点（９アシスト）を挙げたヴェルナーは、スピードと敵陣に切り込む能力に優れている。
申監督は中央ＤＦ張賢秀（チャン・ヒョンス）を先発起用するかどうかを決めかねている。韓国の中央守備陣の核心的な組み合わせは金英権（キム・ヨングォン）と張賢秀だった。しかし、張賢秀が第２戦でＰＫを献上し、ファンから集中的な批判を浴びているため、再び先発で起用するのが容易ではない状況だ。キム・デギルＫＢＳＮ解説委員は、「張賢秀は実力の問題よりコンディションの問題になるだろう。精神的にも体力的にも厳しい状況のはずなので、面談を通じてコンディションを確認する必要がある。無理して出場させる場合、もっと恐ろしい状況を招きかねない」と話した。張賢秀に代わる選手には、尹栄善（ユン・ヨンソン）、呉反錫（オ・バンソク）、鄭昇炫 （チョン・スンヨン）らが候補として挙がっている。
張賢秀を起用しなければ３バックを使う可能性もある。その場合は、金英権、呉反錫、尹栄善を使うと見られる。この布陣では、守りの場面で左右のウイングバックまで自陣に下がって、実際には５人で守備陣を築く５バックを駆使することになる。
鄭允喆 trigger@donga.com
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