フェイスブックの「いいね」ボタンの開発者であるジャスティン・ローゼンは最近、児童生徒たちを対象に「いいねボタンにはまっていてはいけない」と反ソーシャルネットワークサービス(SNS)キャンペーン」を行っている。米国では、シリコンバレーの開発者たちがSNSの逆機能を警告する「人道的技術センター」の団体が出てきたが、韓国では「自発的SNS難民」が少なくない。姑、妻の父、職場の上司など、気まずい人を避けるためにSNSを脱退したり、公開用アカウントを別に作ることである。家の目上の人たちからフェイスブックの友達申請を受けて、以前に掲載したグルメ、旅行の写真を一つ一つ削除した後、その以降は更新しないという人もかなりいる。ネットワーキングのためのSNSが、かえって関係に負担を与えるパラドックスである。
◆恐ろしいスピードで疾走していたフェイスブック、ツイッターなどのSNSプラットフォーム企業も、今や緊張しているようだ。現在の危機が、プラットフォーム自体への信頼危機につながっているからだ。最近、グローバル広報会社エデルマンは、米国、中国、フランスなど9カ国の9000人を調査した結果、10人中6人はSNSを信頼しないと答えた。SNSを通じた個人情報流出や偽ニュースが深刻だという認識である。
◆SNS利用率が世界3位タイを誇る韓国でも尋常でない。広告プラットフォーム専門企業DMCメディアの2018年の報告書によると、SNSの利用時間が、昨年の一日平均が42.9分から、今年は35.5分に、初めて減少した。特にスマートフォンなどのモバイル機器でSNSをする人たちの減少幅(8.2分)が、パソコン(3分)でより大きかった。モバイル機器を主に使う若年層のSNS離脱が本格化するシグナルとも受け取ることができる。
◆これまでSNSの疲労感は、通常、中毒や相対的剥奪感についての訴えだった。しかし、最近では、無分別にさらされている主客転倒の広告のためにSNSを離れる人が増えているという。久しぶりにフェイスブックを開けてみると、関心のない「起業・フランチャイズ博覧会」と「キッチン水栓」の広告がおすすめの掲示物として現れていて、再びウィンドウを閉じた。「カスタムコンテンツ」を見つけてくれるというアルゴリズムが機能していないか、SNS企業が過度に金銭欲を表しているのか。