「あれ?パソコンも、テレビゲーム(コンソール)もないね」
26日、中国上海浦東シンジンチョルに位置している中国通信機器メーカーファーウェイの第5世代(5G)研究開発(R&D)センター。ここにある「Xラボ」は、情報通信技術(ICT)関連の未来技術をファーウェイのパートナー会社と一緒に研究する組織である。
ファーウェイの従業員が渡したゲームコントローラで、トゥームレイダーと呼ばれるゲームをやってみた。しばらくゲームをプレイした後、ようやくゲームソフト(SW)を作動させるハードウェア(HW)のコンソールが見当たらないことに気づいた。
ファーウェイのウィ・ウォンビン研究員は、「これまではゲームのためのコンソールとパソコンの購入に3000〜4000元(約51万〜68万ウォン)が必要だったが、今後のクラウドコンピューティング時代は、ディスプレイだけで、時間と場所にとらわれずにゲームを楽しむことができるだろう」と語った。これは逆説的に機器メーカーの「脱機器」宣言とみられる。実際スマートフォンなどの機器で行ってきた演算機能を、クラウドを通じてやれば電池の消耗が減る。また、機器はディスプレイの役割だけをするので、様々な製品やサービスを具現できる。
もちろんこのような5Gコンテンツを拡散させるためには、ネットワークインフラ、すなわち5G機器が不可欠である。ファーウェイのR&Dセンターのあちこちに、ネットワークをつなげる電柱(?)がある理由である。ファーウェイは、1つの基地局の間隔を20平方メートルから2平方メートルに縮小するなど、通信機器を効率的に運用する技術を開発した。
ただ、韓国国内のモバイル通信会社が5G通信機器を導入すれば、情報漏れを巡る懸念などは依然負担となっている。ファーウェイはこれを意識したのか、同日の記者懇談会でもセキュリティに関する説明に相当時間を割いた。ファーウェイグローバルメディアコミュニケーションのジョイ・タン社長は、「中国政府がファーウェイに対して顧客の個人情報を要求したことは一度もなかった」とし、「R&D投資(昨年は8000億ウォン)のほとんどはセキュリティに使われており、最も多くの人材が投入されている」と語った。ピーター周ファーウェイワイヤレスネットワーク製品ラインの最高製品及びマーケティング責任者(CMO)は、「モバイル通信標準化国際協力機構(3GPP)などの標準を作る組織では、5G規格を作るとき、セキュリティの要求事項を既存の3G、4Gより厳しくしている」と語った。
ファーウェイは、グローバル5G連合体が提示する業界標準と国内モバイル通信会社のセキュリティ要求水準を満たしているだけに、「情報流出」の懸念はないと強調した。特に英セキュリティ検証専門機関の認証を通ったことを主張して、セキュリティの問題から自由であることを表明した。しかし、「韓国のための検証済みのセキュリティ専門機関に委託を依頼する意思はあるのか」という質問には答えなかった。
一方、国内モバイル通信会社各社は同日、5G技術を巡る外交を繰り広げた。SKテレコムとKTは28日、上海で開かれたグローバル5G通信会社の連合体「O-RANアライアンス」の総会で、理事会のメンバーに選ばれ、5Gの生態系拡大を推進することにした。LGユープラスは同日、チャイナモバイル、ファーウェイなどと提携して5G網を基盤とするバーチャルリアリティ(VR)、eスポーツの生中継に出ることもあった。
上海=シン・ムギョン記者 yes@donga.com