負けていた日本選手だたいはハーフラインを超えずに、自陣でボールを回した。対するポーランド選手たちも、敢えてボールを奪おうとしなかった。主審が、手ぶりで攻撃を催促したが、日本選手たちは最後までボール回しに徹底し、試合はそのまま終わった。0-1で負けた日本選手たちがハイタッチをしながら喜んだ。観客席から降り注がれる揶揄は全く聞こえないかのようだった。
日本がポーランド戦で敗れながらもアジア勢では唯一ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント進出に成功した。日本は29日、ロシアのボロゴグラード・アリーナで行われたグループリーグH組最終戦でポーランドに0-1で負けた。1勝1分け1敗とした日本は、セネガルと勝ち点(4)はもちろん、得失点差(0)、得点(4点)まで並んだが、フェアプレー点数で上回り組2位になった。
試合開始まで1勝1分けを記録した日本は、この日の試合で引き分けてれば自力で決勝トーナメント進出を決めることができた。前半を0-0で折り返した日本は、後半14分に、ヤン・ベドナレグに先制点を許し0-1でリードされた。
ところが、その後、セネガルもコロンビア戦で1ゴールを与えた。2試合がともに0-1で終わる場合、日本が決勝トーナメントに進出する状況となった。この時から日本選手たちは公然と「ボール回し」をし始めた。4万2189人の観客から揶揄を飛んだが、日本選手たちのボール回しは試合終了まで10分余りにわたって続いた。
日本が決勝トーナメントに進出できたのは、今大会からビデオ判定(VAR)とともに導入されたフェアプレー点数のおかげだった。フェアプレー点数は警告カードがマイマス1点、警告累積やレッドカードがマイナス3点、即時退場がマイナス4点、1回警告後にレッドカードはマイナス5点で計算する。日本はグループリーグで4枚の警告カードを受け、6枚を受けたセネガルに勝った。もし、残り試合時間にセネガルが同点ゴールを決めていれば、日本の敗退を余儀なくされる賭博のような作戦だった。
李憲宰 uni@donga.com