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密封もせず北朝鮮に渡された「トランプ親書」

密封もせず北朝鮮に渡された「トランプ親書」

Posted August. 06, 2018 09:13,   

Updated August. 06, 2018 09:13

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4日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の記念撮影が行われたシンガポールのエキスポ・コンベンションセンター。

 

非核化の行程表をめぐって激しい神経戦を繰り広げたポンペオ米国務長官と李容浩(リ・ヨンホ)北朝鮮外相が短く顔を合わせた。外相会議を控えて開かれた記念撮影で、ポンペオ氏が先に李氏に近づいて握手をした。張りつめる緊張感の中でもポンペオ氏は李氏の背中をたたいて親近感を示した。李氏も笑顔で握手をした。米国務省のナウアート報道官は、「ポンペオ氏が『私たちはすぐまた会わなければならない』と話すと、李氏が『同意する。すべき多くの建設的な話がある』と答えた」と伝えた。

記念撮影の後、米国のソン・キム駐フィリッピン大使が李氏にトランプ米大統領の親書を手渡した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が米兵の遺骨の返還を機に、1日にトランプ氏に送った親書の返書だ。女性外相の記念撮影で聴衆の目と耳が舞台の上に向けられている時に、キム氏が李氏に近づいて密封されていないグレーの封筒を手渡して短く話をした。席に戻った李氏は封筒の中身を確認した。ポンペオ氏は、ARFの会議を終えた直後、ツイッターに、「私たちは簡単で丁重な話をした」とし、トランプ氏の返書を伝えたことを明らかにした。

今回の会議で期待されていた米朝外相会談は行われなかった。しかし、両国首脳が親書を交わし、どんな方法であれ対話の糸はつないだ。膠着状態にある米朝間の非核化協議の動力を首脳間の意思疎通で維持しようとする姿がうかがえた。

異例の書簡伝達の方法も注目された。親書は通常、大統領の特使が安全装置のついたアタッシェケースに入れて運ぶか、密封された状態で伝えるのが慣例。 しかし、密封されてもいない封筒を公開の行事会場で手渡したことをめぐって、トランプ氏の親書を急いで渡さなければならない米国の事情があったのではないかという観測が流れている。

一部では、国際社会の視線が集まった多国間外交の舞台で両国外相が少なくとも親密な雰囲気を演出したことで、膠着状態にある米朝の非核化協議の突破口を見出すための水面下の接触が続くという期待も出ている。


申나리 journari@donga.com