17日、牽午郎と織女が会うと言われる七月七夕を迎えて、70年近く中断されていた仁川市江華郡(インチョンシ・カンファグン)のポルム島の「イチョウ祭祀」が文化財庁などの主催で復活した。
このイチョウ(天然記念物第304号)は、独特な分断の悲しみを抱えている植物だ。高さ24メートル、幹周9.8メートルのイチョウは、黄海南道延安郡(ファンヘナムド・ヨンアングン)ホナム里からイチョウ(雌)と対をなす雄木だ。ところが800年前に洪水で根こそぎ抜かれ、ひとりでポルム島に流れて来た。
当時漁民たちは、流れて来た木を島に植え付けたが、その後、両地域では旧暦の正月31日に、それぞれ祭祀を行う独特の伝統文化を受け継いできた。しかし南北が分断してから「夫婦イチョウ」の祭祀は命脈が途絶えた。延安郡のホナム中学校の裏庭にある雌木は北朝鮮の天然記念物第165号に指定されている。
文化材庁と江華郡、韓国文化財財団、シマ研究所が主催した同日の行事には、カンリョン仮面踊りマダンノリと画家シン・ウンミ氏の北朝鮮墨画を偲ぶ水墨画絵描きなど多様な催し物が披露された。キム・ジョンジン文化財庁長は、「夫婦イチョウは韓国戦争後に離散家族のように離れ離れになって長い年月を耐えてきた」とし、「南北交流を通じて合同で祭祀を行う方法を模索計画だ」と明らかにした。
柳原模 onemore@donga.com