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約束

Posted August. 25, 2018 08:05,   

Updated August. 25, 2018 08:05

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詩人朴寅煥(パク・インファン)といえば喫茶店とハンサム、趣とロマンを思い出す。英国にバイロンがあるとするなら、韓国には朴寅煥があるというか。すらりとした長身で、誰よりも装いに気を使うおしゃれだったという。ご飯は欠けても、コーヒーは欠けないという信念があり、話し方が良くて顔が広く、どこに行っても歓迎される人だったという。

彼に関する最も有名なエピソードは詩「時が経つと」が歌として誕生する場面である。要請を受けて朴寅煥が即座で詩を書き、そばにいた作曲家がすぐに曲をつけ、一緒にいたミュージシャンがすぐに歌を歌ったというエピソードだ。文学と音楽が出会って魔法をふるったような気がして、このエピソードを聞くと感心せざるを得ない。このように朴寅煥に伝わってくるイメージは、多少派手だったり、華やかである。

ところが朴寅煥を素晴らしいロマン主義者としてだけ考えると、詩人がちょっと悔しがるかもしれない。朴寅煥のロマンは、「時が経つと」と「木馬と淑女」のような詩で代弁されるが、彼の詩を読むとロマンではなく、「人生」あるいは「命」への真実が中心であることが多い。彼は単に派手な浪漫主義者ではなかったのだ。朴寅煥は私的な席で冗談を楽しんだが、実際は、誰よりも現実について真剣に悩んだ人だった。だから、今日は朴寅煥の真剣な1本の詩を紹介したい。すごくカッコイイという感嘆詞は出ないが、朴寅煥の素顔を如実に示す素朴さが目立つ。詩人は疲れた生活を克服する青い希望を語る。朴寅煥のロマンとは、その実、こんなに暖かい希望の上で咲いたのだ。

文学評論家


李沅柱 takeoff@donga.com