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米国が「韓米軍事演習の再開」を切り出したところで、文政権は「9月の平壌会談」こだわる理由があるのか

米国が「韓米軍事演習の再開」を切り出したところで、文政権は「9月の平壌会談」こだわる理由があるのか

Posted August. 30, 2018 07:24,   

Updated August. 30, 2018 07:24

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マティス米国防長官が28日、「もはや韓米合同軍事演習を中止する計画はない」と述べた。米朝非核化協議が中止になった状況で、6月の米朝首脳会談後に中止された韓米合同軍事演習を再開できるという軍事圧力カードを出したのだ。ただ、マティス氏は演習再開の時期については、「今すぐに決めることはできない。協議がどう進むか見よう」と話した。

マティス氏の発言は、すぐに合同演習を再開するということではない。韓米は、8月の乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)と7~9月の2度の海兵隊合同演習(KMEP)を延期した。その後の計画は決定されていない。しかし、ポンペオ国務長官の訪朝中止に続き、合同軍事演習再開の可能性を言及したことだけでも、北朝鮮には十分に強力な警告メッセージになる。北朝鮮の態度変化を引き出すには、軍事圧力以外に効果的な手段がないためだ。

北朝鮮は、米軍の小規模な軍事演習にも敏感な反応を見せてきた。北朝鮮メディアは最近も、「米軍特殊部隊が秘密裏に斬首作戦演習を強行している」と批判した。今回の合同軍事演習再開の警告に北朝鮮がどう出てくるか見なければならないが、危機局面になって妥協を模索する北朝鮮の瀬戸際交渉が繰り返される可能性が高い。しかし、北朝鮮が再び核・ミサイル挑発で対抗する場合、韓半島は8ヵ月前の一触即発の対峙状況に戻る可能性もある。

このような局面で、韓国政府は、9月に平壌(ピョンヤン)で開催することで合意した南北首脳会談を推進すると明らかにしている。北朝鮮政権樹立記念日(9・9節)に予想される中国の習近平国家主席の訪朝に続く文在寅(ムン・ジェイン)大統領の平壌訪問が、米国と国際社会にどのように映るのか、気を回す姿は見られない。トランプ政権は連日、「南北関係は核問題解決と別に進展することはできない」として「韓国の加速」に不快感を示し、米メディアからも韓米間の不一致を懸念する報道が相次いでいる。

大統領府はむしろ、「文大統領の促進者・仲裁者の役割が大きくなった」と強調する。しかし、「9月の平壌会談」は、米朝協議が軌道に乗るという前提の下、具体的な日時が決まっていない。前提が崩れた状況では、すべての可能性を残しておく必要がある。事実上、未確定の約束にこだわったところで、北朝鮮が韓国政府の促進者の役割を認めるはずもない。仲裁の役割を望むなら、5月の首脳会談のように日帰りで板門店(パンムンジョム)で行うこともでき、あるいは米朝交渉が正常化した後にもできる。そのような柔軟な対応が、北朝鮮と米国双方を引きつけることができる。