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脳神経細胞を真似してよりスマートなAIを作る

脳神経細胞を真似してよりスマートなAIを作る

Posted October. 01, 2018 08:47,   

Updated October. 01, 2018 08:47

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人工知能(AI)の中で最も有名なものとして、囲碁ソフトウェア「アルファ囲」が挙げられる。韓国の李世乭(イ・セドル)九段、中国の柯潔9段などのトップクラスのプロ棋士を相手に次々と勝利を収め、「特定分野ではAIが人間を超えることもできる」という可能性を示した。

アルファ碁のような高性能AIは人工知能の可能性を示したが、膨大な量のコンピュータ資源が必要だという欠点を抱えている。アルファ碁は、インターネットにつながっている世界各国のコンピュータ資源を取り寄せて使っているが、李世乭9段と対局する当時は、中央処理装置(CPU)1202個、グラフィックス演算ユニット(GPU)176個を使った。単一システムで作れば、スーパーコンピュータに該当する。

AIは、人間の代わりに車を運転したり、工場システムを制御するなど、複雑で迅速な判断が必要な分野にもあまねく使われるとみられる。毎回高価なシステムを設置できないので、科学者たちは結局、「人間の脳」で答えを探している。人間の脳に必要なエネルギーを電力に換算すれば、1時間に20W(ワット)程度。アルファ碁は1時間に56kW(キロワット)の電力を使用するので、単純に比較しても、人間の脳が2800倍ほど効率が良い。

人間の脳を真似するには、どのような方法を使わなければならないだろうか。一番最初に考えられるのは「シミュレーション」技法である。今まで人間が確保した脳科学知識を総動員して、この機能をコンピュータの中に仮想現実で具現して脳機能をまねする。理論的にはコンピュータが自ら自我を持って人間のように思考できる「強いAI」を現実で作り出す方法として挙げられる。しかし、人間の脳機能の秘密はまだ科学的に完全に解明されていないうえ、約1000億個と知られている脳神経細胞の一つ一つの細かい繋がりも考慮する必要があり、今のところ、ほとんど現実化は不可能である。ただ、この過程で人間の脳神経構造と動作原理を理解するのに役立つかもしれない。欧州連合(EU)も仮想脳開発を研究しているスイスのローザンヌ工科大学の研究チームなどを支援している。

シミュレーション方法は、脳科学研究の面では前向きであるが、これも同様に大容量のコンピュータシステムが必要なので、実生活に活用することは難しい。科学者たちは、結局脳の一部だけを真似し始めた。コンピュータに使われるCPUの内部構造を、動物脳神経細胞の動作原理を真似して作った「脳神経模写チップ」を開発することである。脳全体を複製していないので、完全な自我を得るのはまだ難しいが、学習速度と処理速度は大幅に引き上げることができる。

代表的会社としてCPU専門企業「インテル」が挙げられる。インテルは昨年9月、「ロイヒ(Loihi)」と呼ばれる実験用脳神経模写チップを発表した。ロイヒチップは脳神経細胞を真似した13万個の電子回路と1億3000万個のシナプス(神経接合部)で構成されている。このシステムに人が手で書いた数字を判別するAIプログラムを設置した結果、一般コンピュータを利用したAI機能に比べて100万倍も高い学習率を示した。エネルギー効率も従来方式より1000倍も高いと、インテル側は明らかにした。インテルは今後、この機能をさらに高めて小動物並みの人工知能を開発する計画だ。

関連分野の研究は韓国国内でも行われている。韓国科学技術研究院(KIST)次世代半導体研究所は現在、インテルのロイヒチップに匹敵する脳神経模写チップを独自に開発しているが、近日中に関連研究成果を発表する計画だ。韓国電子通信研究院(ETRI)も動物脳波を分析して、効率的に脳神経模写チップの回路を構成する研究を進めている。

KISTのキム・ジェウク先任研究員は、「脳科学研究が発展しており、次世代人工知能の開発も徐々に容易になっている」と語った。


チョン・スンミン記者 enhanced@donga.com