Go to contents

北朝鮮東倉里の廃棄から急いでこそ「10月外交」に進展がある

北朝鮮東倉里の廃棄から急いでこそ「10月外交」に進展がある

Posted October. 01, 2018 08:46,   

Updated October. 01, 2018 08:46

한국어

北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が29日(現地時間)、国連総会での演説で、「米国に対する信頼がなければ、我が国の安全に対する確信もありえず、その状態で我々が一方的に核武装を解除することは絶対にあり得ない」と話した。そして「非核化を実現しようという意思は確固不動だが、米国が我々に十分な信頼感を持たせる場合にだけ実現が可能だ」とし、「相応の措置」を求めた。2度目の米朝首脳会談が表面化し、韓国戦争の終戦宣言と制裁緩和まで得ようという意図を露骨にあらわしたのだ。

李外相の国連演説は1年前に比べて融和的だ。李外相は昨年の演説で、「米国が軍事攻撃の兆しを見せる時、容赦ない先制行動で予防措置を取る」と警告し、記者団に「太平洋上の水素弾実験」まで示唆した。しかし、トランプ米大統領が今年の演説で、「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の勇気に感謝する」とまで言ったことと比較すると、今回の演説も対米非難一色だ。

北朝鮮は、中国・ロシアが北朝鮮に対する制裁緩和を主張し、韓国も暗黙に同調していると判断し、国際社会の制裁緩和のムードを作る考えがあるようだ。李外相は、「米国の指揮に服従するUN司令部が神聖な国連の名を盗用している」とし、在韓国連軍司令部が南北鉄道連結のための共同調査を阻止しようとしたことを非難した。

このような北朝鮮の態度は、辛うじて修復された米朝対話を難しくさせるだけだ。2度目の米朝首脳会談は、オーストリア・ウィーンで開かれる実務交渉を経て、ポンペオ米国務長官の4回目の訪朝後、公式化できる。トランプ氏は11月の中間選挙までは北朝鮮を管理するために「良い関係」だけ強調する可能性が高い。29日の遊説で「正恩氏と恋に落ちた」とまで表現したが、常に「私は何もあきらめていない」と述べてきた。

今後1ヵ月、米朝関係は表向きは友好だが、水面下では退屈な組み手争い起こるだろう。北朝鮮が無理な要求で不信だけを育てれば、トランプ政権も動けなくなるだろう。正恩氏は、9月の平壌(ピョンヤン)宣言で条件なく東倉里(トンチャンリ)ミサイル実験場を廃棄すると約束したが、その後何の動きもない。今後の交渉と結びつける考えなのか疑わしい。約束した措置から速かに進め、信頼を得なくては、米朝関係は膠着状態を抜け出すことはできない。