「北朝鮮政権が住民の人権を尊重しなければ、韓半島の安定と繁栄が脅威を受けることになるだろう」
グテーレス国連事務総長が、米ニューヨークの国連本部で開かれている第73回国連総会に提出した「北朝鮮の人権状況に関する報告書」(8月6日付)で、「『政治犯収容所での虐待や拷問など北朝鮮内部の深刻な暴力的状況が深く憂慮される。平和、安定、繁栄、人権は同時に並行して追求しなければならない課題』と明らかにした」と、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が4日、伝えた。
グテーレス氏は報告書で、今年の韓半島の状況について、「北朝鮮の核実験とミサイル発射で脅威を受けた昨年下半期とは違って、一連の外交成果があらわれ、少しずつ緊張が緩和され、政治的交流の糸口をつかむなど、希望を見出すことができた」と評価した。
グテーレス氏は、2月9日の平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕式の韓国と北朝鮮の合同入場を機に南北高官会談、4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談が相次いで開かれたと指摘した。また、「韓半島の軍事的緊張緩和と非核化議論、離散家族再会などでの北朝鮮政権の努力を歓迎する」と評価した。
しかし、グテーレス氏は、「政治的関係の改善により、北朝鮮社会の重大な人権侵害問題の解決が一層重要になった。関連国家は、北朝鮮住民の人権改善を非核化など平和交渉のテーブルに載せなければならない」と強調した。
グテーレス氏は、具体的に北朝鮮に長期拘束中の韓国人6人の解放問題、韓国戦争後に北朝鮮に拉致された韓国人516人の確認問題、日本人拉致問題などを挙げ、解決を求めた。そして、「北朝鮮住民の人権を改善し、人道主義社会のムードづくりに向けて国連人権委員会、総会、安全保障理事会で議論を続ける」と明らかにした。
孫宅均 sohn@donga.com