韓国人では初めてワールドシリーズ(WS)で先発投手として登板したロサンゼルス・ドジャースの柳賢振(リュ・ヒョンジン=31、写真)の夢は、結局叶わなかった。ドジャースが29日に行われたボストン・レッドソックスとのWS第5戦で1-5で破れ、柳賢振のシーズンも終了した。この日の試合でドジャースが勝てば、柳賢振は31日に適地での第6戦に先発登板する予定だった。
シーズン終了とともに柳賢振は自由契約選手(FA)になる。2013年にドジャースと結んだ6年3600万ドル(約411億ウォン)の契約も終了したからだ。柳賢振はドジャースに残留することも、他チームに移籍することも可能だ。
柳賢振はメジャーリーグでも実力を証明した左腕先発投手だ。肩や肘の手術で2015年と2016年をほとんど休んだが、通算40勝28敗、防御率3.20と優秀な成績を挙げた。今年は7勝3敗、防御率1.97と活躍した。シーズン序盤に股座の負傷で3ヵ月ほどリハビリに集中しなければならなかったが、8月に復帰してからはナショナルリーグ優勝決定シリーズ優勝をけん引した。柳賢振はアトランタ・ブレーブスとの地区シリーズ第1戦ではエースのクレイトン・カーショーを抜いて先発登板し7回無失点で勝利投手になった。
しかし「耐久性が落ちる」という評価も受けている。メジャーデビュー以降、健康にシーズン150回以上を投げたのは2013年と2014年だけだ。ポストシーズンは「ビッグゲームピッチャー」としての能力を証明できる好機だった。だが、ミルウォーキー・ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ第2戦とボストン・レッドソックスとのWS第2戦では、いずれも5回を粘れなかったのは悔いが残る。
現地でもドジャース柳賢振にクオリファイング・オファーをするかどうかに関心を示している。クオリファイング・オファーとは、球団がFA資格を得た自軍属選手に対してメジャーリーグの高額年俸選手125人の平均年俸(2019年は約204億ウォン)を提示し、1年間保有する制度。巨額の契約は困難でも、リーズナブルな金額での複数年契約は可能、との見方も出ている。米国のスポーツサイト「ファンサイデッド」は28日、ワシントン・ナショナルズが来季に向けて戦力補強を進める中で、柳賢振の価値を年間700~1000万ドル(約80~114億ウォン)と評価したと伝えた。
柳賢振の新天地にめぐる探り合いは、オフシーズンが始まった後に本格化しそうだ。スーパーエージェントのスコット・ボラスが、柳賢振の契約を代理している。
李憲宰 uni@donga.com