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文大統領の「一緒に豊かに暮らす包容国家」は経済再生がカギだ

文大統領の「一緒に豊かに暮らす包容国家」は経済再生がカギだ

Posted November. 02, 2018 08:30,   

Updated November. 02, 2018 08:30

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、国会施政演説で、「一緒に豊かに暮らす包容国家」を国政の基本方向として強調しながら、所得主導成長をはじめとする経済政策基調を推し進めていくことを明らかにした。対北朝鮮政策と積弊清算をはじめとした対内政策も、大きな枠組みを維持することを確認した。経済状況の診断と処方、南北関係の急加速などをめぐって賛否が続いているが、過去1年半の間の政策方向を固守する意向を明確にしたものだ。

文大統領は、私たちは「豊かに暮らそう」という夢をある程度成し遂げたし、経済成長率も経済水準が似ているか進んでいる他の国に比べて、依然として最も高いほうだ」とし、「しかし、私たちは発展した国々の中では、経済的不平等の程度が最もひどい国になった」と述べた。今は分配に力を入れるべき時期であることを強調したのだ。

もちろん福祉と分配の重要性は、国民なら誰でも同じ考えだろう。しかし、韓国経済が成長と福祉がきっ抗する代わりに、福祉と分配に向かって全力投球してもいい段階に来ているかについては意見が分かれる。文大統領は昨日、「数年前から始まった2%台の低成長が固着する可能性が高い」とし、低成長基調は避けられないことを示唆した。しかし、最近の韓国経済の深刻な問題は、低成長そのものではなく、成長エンジンが急速に低下し、経済成長率の予測値がますます下がることだ。このため、現在の成長に満足して分配中心に転換することは時期尚早という指摘も出ている。そのような点で分配に比べて成長戦略が不十分であり、特に、未来産業育成などのための具体的かつ精巧な戦略の提示がなかったことは残念と言える。所得の不平等を示すジニ(Gini)係数をみると、韓国は2016年基準でOECD加盟36ヵ国の中で16位で、平均より良好な方である。

文大統領は、今年より9.7%増やした470兆5千億ウォン規模の2019年度予算案を国会に説明しながら、「財政がより積極的な役割を果たす時期だ」と強調した。公共部門で雇用を増やし、普遍的な無償福祉を増やす政策基調がさらに強まることを予告したのである。ところが、企画財政部が昨日発刊した財政政策報告書によると、韓国は福祉が増えたことで、国が必ず使わなければならならない『義務支出』が、状況に応じて調整できる「裁量支出」を初めて上回った。経済を蘇らせてパイを増やしてこそ、福祉費用も継続的に負担できるのである。「一緒に豊かに暮らす包容国家」へと進むためには、一緒に豊かに暮らせる物質的基盤を作ることに力を入れなければならない。