国連安全保障理事会が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9月の平壌(ピョンヤン)南北首脳会談の時、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と共に乗った高級車の北朝鮮搬入経路を調査していると、自由アジア放送(RFA)が28日(現地時間)、報じた。文大統領が平壌到着直後、カーパレードの時に搭乗した車は「メルセデス・マイバッハS600プルマン・ガード」を改造したものだという。
安保理の北朝鮮制裁委員会が問題にしたこの車は、過去に国連専門家パネルが制裁違反の対象と指摘した車両と同一とみえる。専門家パネルは2016年、報告書で、「改造されたメルセデス・ベンツS600リムジン」がパレードに動員されたことが捉えられたとし、「このような車両の平壌への搬入は安保理決議違反の可能性がある」と指摘した。安保理は2006年、「奢侈品」の北朝鮮搬入を禁止し、2013年には奢侈品の項目に「豪華自動車」が含まれることを明示した。
専門家パネルは報告書で、「シージェット・インターナショナル」という会社を経営する中国人のマ・ユノン氏が車両を北朝鮮に搬入したと推定している。米商務省は今年9月、マ氏と同社が車両を不法に北朝鮮に搬入し、「米国の安保および外交利益に反する行為をした」とし、制裁対象に指定した。
RFAは、文大統領が9月に平壌で万寿台創作社を訪問したことと、南北がみかんと松茸を贈り合うことに対しても安保理が制裁違反かどうか調査に入ったと伝えた。コーカー米上院外交委員長は、29日に報道された「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)とのインタビューで、「中国と韓国が北朝鮮に対する立場を軟化していることは、(北朝鮮に対する圧力政策が複雑になる)要因の一つであることに疑いの余地はない」と話した。
韓国政府は、文大統領が制裁違反の対象になる車両に乗ったことと、国連制裁の対象である万寿台創作社を訪れたことについて、単なる搭乗と観覧なので問題にならないという立場だ。みかんと松茸を贈り合うことも制裁違反ではないと線を引いた。外交部当局者は29日、記者団に対して、「首脳間のプレゼントは経済的利益とは全く関係のないことなので、制裁とは関係がない」との考えを示した。
韓基渽 record@donga.com · 黃仁贊 hic@donga.com