イタリアの天才芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519・写真)の作品復元に韓国の伝統紙である韓紙が使われる。
イタリアの紙類復元専門機関である国立記録遺産保存復元中央研究所(ICPAL)は11日(現地時間)、ダ・ヴィンチが1505年に制作したものと推定される「鳥の飛行に関する手稿(Codex on the Flight of Birds)」の復元に韓紙を使うことにしたと発表した。
手稿はダヴィンチの科学と技術に関する研究のうち、ノートとドローイングの形で残っている6000ページ分量の原稿を一つにまとめたものだ。イタリア・トリノ王立図書館に保管されている「鳥の飛行に関する手稿」は、ダ・ヴィンチが鳥とコウモリの飛ぶ姿を通じて発見した航空工学法則などを、スケッチと一緒に記述した手書きノートだ。ここに示されたダ・ヴィンチのアイデアは、今日のグライダーや飛行機、ヘリコプター、パラシュートの起源になった
ICPALは、「作品が制作されてから500年余りが経つにつれ、ところどころにカビが生えるなどひどく汚染されており、保存作業が必要だ」と明らかにした。さらに、「作品を保護するカバーを作るために韓紙を使って、損傷を最小限に抑える計画だ」とし、「一般紙よりはるかに丈夫で、頑丈な韓紙の特性を考慮した」と説明した。復元作業に使われる韓紙は、慶尚南道宜寧郡(キョンサンナムド・ウィリョングン)のシンヒョンセ韓紙工房で作った韓紙が使われる。トリノ王立図書館は、ダ・ヴィンチ死去500周年を迎える来年に、韓紙で復元された「鳥の飛行に関する手稿」を一般公開する方針だ。
これまで欧州文化財復元事業は、日本の伝統的紙である和紙が掌握してきた。しかし、昨年、イタリアの「法王ヨハネ23世の地球儀」とフランス・ルーヴル美術館の「マクシミリアン2世の机のハンドル」の復元に韓紙を使用するなど、欧州の文化財界でも韓紙の優秀性が注目されている。韓国固有の伝統抄紙技法で制作される韓紙は、繊維が長い一方、強度が強くて平面と立体物などさまざまな作業が可能で、染色や着色が容易だ。
一方、国立文化財研究所と国会文化観光産業研究フォーラムは、韓紙のユネスコ人類無形文化遺産の登録価値と海外進出対策などを模索する学術シンポジウム「伝統韓紙の優秀性と機能性」を13日、ソウル鍾路区(チョンノグ)にある国立故宮博物館で行う。
柳原模 onemore@donga.com