2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式において忘れられないシーンの一つは、「空の大東輿地図」と呼ばれる天象列次分野之圖 (国宝第228号)が拡張現実(AR)を通じて夜空を光の粒子で派手に彩ったことだ。1395年(太祖4年)に制作したこの天文図には、293個の星座と1467個に及ぶ星がぎっしりと描かれている。一方、1930年に国際天文学連合(IAU)が西洋の伝統的星座をもとに作成した現代星座のリストは88個に過ぎない。神話中心の西洋星座と異なって、東洋の星座は、人間社会の非常に複雑な姿を空にそのまま投影したからだ。
このように韓国や中国など古代東アジアを中心に続いてきた「東洋天文学」を紹介した本「人から、天の香りがする」(リンス・写真)が最近出版された。トゥジョン天文研究所のファン・ユソン研究員が出した本のタイトルは、東洋天文の中核思想である天人合一の概念を含んでいる。
本は全部で3部で構成されている。1部は、東洋の宇宙起源の神話と宇宙構造論を盛り込んでいる。本の中心である第2部では、東洋の星座体系である3円28宿の天文的意味と、各星座にまつわる様々な物語を解釈した。最後の3部は、曆法の基本的な理論を扱っている。
柳原模 onemore@donga.com