2016年夏に韓国に亡命した北朝鮮の太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使が、米国への亡命を打診しているとされる北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア代理大使に韓国への亡命を呼びかける公開書簡を書いた。「大韓民国に来ることは選択ではなく義務だ」と強調した。
太氏は5日、自身のブログに投稿した書簡で、「大韓民国の憲法に『韓国の領土は韓半島と付属島嶼から成る』とある。この言葉は、北朝鮮の住民が皆韓国住民という意味だ」とし、「『私は憲法によって大韓民国の公民だ、祖国である大韓民国に行く』と言えば、(誰も)あなたの前途を防げないだろう」と述べた。そして、「ソウルで私と力を合わせて、私たちが身を置いた北朝鮮の既得権層を倒し、この国を統一しなければならない」と強調した。
太氏は異例にも、自身と妻、子どもの大学と大学院生活まで公開し、「子どもが韓国の名門大学の学士課程を終えれば、米国の修士課程に送ってもいいだろう」と説得した。チョ氏は2001年にリ・グァンスンさんと結婚し、息子が一人いる。
野党は、政府が消極的な態度で一貫していると批判した。「正しい未来党」のイ・ジョンチョル報道担当は5日、「北朝鮮の追跡がどれほど迫っているかは火を見るより明らかだ。彼の身辺の安全に尽力しなければならない。しかし、韓国政府と国家情報院からはいかなる情報も、対策も、意志も見られない」と批判した。自由韓国党の金秉準(キム・ビョンジュン)非常対策委員長は、「統一、平和定着の過程で大きな役割をしてくれるといいが、第3国に行くことは残念だ」とし、「政府が北朝鮮だけを考えず、(チョ氏の韓国亡命を)深く考えてほしい」と述べた。
李知訓 easyhoon@donga.com