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CESに押されて…力のないモーターショー

CESに押されて…力のないモーターショー

Posted January. 10, 2019 08:43,   

Updated January. 10, 2019 08:43

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米国ラスベガスで8日(現地時間)公式開幕した「CES2019」の会場では、手の動きで自動車の複数の機能をコントロールする「ジェスチャーコントロール」が断然話題となった。

起亜(キア)自動車のブースを訪れた観覧客は、ジェスチャーコントロールを体験して不思議そうな表情をした。映画の中でだけ可能だと思われたシーンが、目の前に繰り広げられたからだ。「リアルタイムの感情反応車両制御システム(R.E.A.D)」を具現したコンセプトカーに座った観覧客たちは、正面のモニターを見ながら、指を空中に伸ばしてメニューを選んだ。空中に向かって指で動かすだけで、カーナビのメニューを選んだり、地図を動かすことができた。この機能は、いわば「V(Virtual)タッチ」だった。室内の天井につけられた小型カメラが、搭乗者の指と視線を認識して車両機能を制御する。

●タッチスクリーンから手の動きに

最近まで自動車メーカー各社は、車両にタッチスクリーンを搭載したり、音声認識が可能な人工知能(AI)システムを入れて、運転の途中で音楽を流したり、カーナビの案内を始める方法を披露した。ジェスチャーコントロールができることは、これからはスクリーンに直接触れなくても、空気中で手を動かすだけで機能を制御できるという意味だ。タッチスクリーンやボタンに比べて操作しやすい上に速い。動作する楽しさもあり、「未来車」というイメージまで手にできる。

メルセデス・ベンツの展示ブースでも、ジェスチャーコントロールが話題となった。ベンツは、音声認識AIであるMBUXにジェスチャーコントロールを追加した。カーナビに「我が家」を登録してジェスチャーコントロールを設定しておけば、運転者が空中で人差し指と中指を広げたVサインをするだけで、「自宅」への道案内が始まる。前の座席の頭上にある室内灯もボタンを押さず、手を近づけるだけで点灯したり消えたりした。

中国の電気自動車スタートアップ・バイトン(Byton)も、年末に発売される電気スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)にジェスチャーコントロールを搭載すると発表した。映像に公開されたバイトンのジェスチャーコントロールは、はるかに直感的だった。音楽を聞いてボリュームを上げたり、下げたりしたい場合は、空中にツマミがあるつもりで、右手を伸ばして右または左に回すと音量が大きくなったり小さくなったりした。

起亜自動車はVタッチを開発するために、2016年から韓国国内ベンチャー企業と提携して、研究開発(R&D)に取り組んできた。現代(ヒョンデ)自動車グループ研究開発本部・電子先行設計チームのシン・ヒウォン研究員は、「手の動きだけで車のドアを開閉したり、車の座席の角度を調節すること、サンルーフを開けることも既に可能な段階だ」と話した。人とカメラが互いに20メートル以上離れたところからもジェスチャーコントロールができるほど技術が向上し、間もなく実用化もできるという。

イトンのチャン・ワン製品広報マネージャーは、「運転席上の鏡に付いたカメラが、搭乗者の手の動きを認識して分析する」とし、「今後活用分野はさらに拡大するだろう」と語った。手の動きは状況に応じて、その形やばらつきが大きいため、多くのデータを確保してディープラーニング(コンピュータ自己学習)技術で精度を高めることが肝要だ。

●自律走行キット、3D映画館のような車も披露

今回のCESでは、ジェスチャーコントロール機能に加えて、様々なモビリティ技術が目立った。現代モービスは、自律走行コンセプト・エムビジョン(Mビジョン)をコンピュータグラフィックス映像で公開した。自律走行車が自ら道路周辺の人間や自転車を認識し、車の前に搭載された照明で歩行者とコミュニケーションするシーンを示した。Mビジョンのコアは、4つの空間情報を把握するライダー(LiDAR)センサーと5つの多機能カメラセンサーを一堂に集めた自律走行キットだ。自動車の屋根に自律走行キットを搭載すれば、車周辺の360度を正確に認知できる。現代モービスの関係者は、「このキットさえ適用すれば、アップデートによって自動車のサイズ、デザインに関係なく、自律走行モードを適用できる」と説明した。

同日、現代自動車が投資したスイス企業ウェイレイは、「ホログラム拡張現実ナビゲーション」を披露した。車のフロントガラスに進行方向や速度などの様々な情報が表示される技術だ。ドイツのアウディは、車の中でアクション映画を鑑賞するとき、車体が前後に動くので、まるで映画館の「3Dシート」のような体験ができるような演出で、観覧客たちから歓呼をかもし出した。


金玹秀 kimhs@donga.com