商業映画禁止のサウジアラビアが大衆芸術の中心地への変身を宣言

中東諸国の中でも最も保守的なイスラム国家に選ばれるサウジアラビアが、「世界１０大エンターテイメント観光地」への変身と宣言した。多様な文化公演や国際イベント、スポーツ親善試合などを開催して、見物や遊びモノの多い国へと生まれ変わるという。

２２日、サウジアラビアの現地メディア・アラブニュースによると、ツルキ・アル・シェィク・エンターテイメント庁（ＧＥＡ）庁長は、「世界１０大エンターテイメント観光地に生まれ変わるために、１００以上の国内外パートナーと議論している」とし、「１０年間６５０億ドル（約７３兆３８００億ウォン）を投資する計画だ」と明らかにした。サウジ政府は、ライオンキング、オペラ座の怪人などの有名公演を行い、国際サーカス団やスポーツスターなどを招待して記念行事も開催する計画だ。オンラインゲーム、お笑い番組なども計画しており、主要都市に大型博物館、公演会場を建設する予定だ。

サウジアラビアは、昨年までは商業映画の上映を認めないほど保守的国だった。昨年１月、南西部の都市ジッダの小劇場で米ソニー・ピクチャーズが制作したアニメ「絵文字の国のジーン」が上映されたが、これは１９８３年に商業映画上映の禁止後、３５年ぶりのことだった。

昨年からサウジ政府は、「サウジ向けの扉が開かれた」と改革政策を披露している。「脱石油、経済産業構造の多角化」を目標に掲げて、破格的変化を試みている。

アル・シェイク庁長は、「サウジのエンターテインメント産業は、数万または数十万件の雇用を創出し、数千億ドルの価値を生み出すことになるだろう」と語った。

しかし、このような改革政策は、すべて「見せかけ」にとどまるだろうという批判も多い。今月初め、サウジ現地のネットフリックスのサイトから「パトリオットアクト」というコメディ番組が削除された。コメディ番組の司会者がサウジ政府のイエメン内戦介入、昨年１０月にトルコ・イスタンブールのサウジアラビア領事館で殺害されたサウジアラビア反体制ジャーナリスト・ジャマル・カショギ事件などに言及したという理由でネットフリックスに抗議し、動画を削除したのである。

また、マハラム（男性保護者が女性の法的行為を承認するイスラム圏の慣習）制度を拒否した女性がカナダに亡命し、王室に批判的主張を繰り広げてきた人権活動家、ジャーナリストの多くもまだ刑務所にいるので、まだ真なる改革とは程遠いという観測も出ている。


カイロ＝ソ・ドンイル特派員 donga@donga.com