世界初の５Ｇ商用化、タイトルより重要なのは競争力だ

韓国国内モバイル通信大手３社が、一昨日夜１１時、一部の加入者を対象に第５世代（５Ｇ）スマートフォンサービスを開始した。各社の第１号加入者たちに、世界初の５Ｇスマートフォンである三星（サムスン）電子の「ギャラクシーＳ１０５Ｇ」を先に開通したのだ。これで韓国は昨年１２月、世界初の５Ｇ周波数送出に成功したのに続き、世界初の５Ｇ商用化国家というタイトルを獲得した。

高速転送、膨大なデータ、リアルタイムでの接続などが特徴である５Ｇモバイル通信は、第４次産業革命のコアインフラであり、プラットフォームの役割を果たしながら、日常生活の変化はもとより、産業間融合と革新を触発すると期待される。５Ｇの経済的価値は、２０３５年は１２兆３０００億ドルに達するという分析もある。韓国が最高レベルの情報通信技術（ＩＣＴ）能力を誇示して、関連市場を先取りするきっかけを作ったという点で、「世界初」という象徴性とブランド価値は無視できない。

しかし、最初のタイトルを獲得するまでの過程はすっきりしない。政府は当初、３月末に５Ｇ商用化を推進した。ところが、料金制の認可と専用スマートフォンの発売が遅れたことで、米通信会社ベライゾンが先に商用化に乗り出すと打って出た。再び今月５日をＤデーに決めた政府は、ベライゾンが４日にスケジュールを繰り上げるというニュースが伝わると、あたふたとモバイル通信会社を呼んで真夜中にいきなり開通するよう要求した。とあるモバイル通信会社は、修正申告した５Ｇ料金制を公開する前に第１号加入者を開通して、前後が変わった形となった。政府の料金引き下げへの圧力と押し通す式の行政がもたらした結果と言える。

一般客は予定通り５日から５Ｇフォンを開通できるが、まだ大都市中心の限定サービスといえる。何よりも５Ｇが開花するためには、ネットワーク端末機器だけでなく、専用コンテンツとサービスの開発が後押しなければないないが、依然道のりは長い。２Ｇの時から続いてきた通信・料金規制、ビッグデータ産業に障害となっている個人情報規制など、５Ｇサービスを遮っている規制もそのままだ。５Ｇを通じて産業革新に拍車をかけ、付加価値を創出するためには、今や世界初のタイトルを超えて、５Ｇ生態系の競争力が世界最高になるよう、力を注がなければならない。