7日午前、エジプト・カイロ近郊のギザの「大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)」の新築現場。三角形のガラスが続く入口は、大きなピラミッドのようだった。中に入ると、まるでピラミッドの中に吸い込まれていく感じがした。天井や壁がガラスなので室内に太陽光が差し込み、内部は明るかった。
「少年ファラオ」で有名なツタンカーメンの黄金のマスクなど古代遺物を一ヵ所で見ることができる大エジプト博物館の工事が最終段階に入っている。エジプト考古省によると、現在の工程は約90%で、来年に開館する予定だ。博物館は2002年に着工し、09年の完工を目指したが、10億ドル(約1兆1380億ウォン)にのぼる建設費の調達と11年の「アラブの春」後、不安になった政治的環境などで開館が延ばされた。考古省関係者は、記者に何度も「これ以上日程の延期はない」と強調した。
正門を通過すると、「エジプト征服王」ラムセス2世の石像が観覧客を迎えた。ラムセス2世は、紀元前13世紀、古代エジプト第19王朝で60年以上統治し、最も強力な王権を握った人物だ。高さ12メートル、重さ80トンに達する巨大な石像は重圧感を与える。
観覧は傾斜が緩やかな山を登って周辺を見るような形でなされる。一直線に低く長くのびた建物の中央には、長さ約65メートルの階段が続く。階段の上にも年代記順に遺物87点が展示される。展示場を全部回って階段の最後に到達した時、ガラスの外壁の向こうにクフ王の大ピラミッドなど3大ピラミッドが絵画のように目に映った。博物館とピラミッドの距離は2キロだけで、博物館からピラミッドを直接見ることができる。
考古省は16年からカイロのエジプト国立博物館所蔵の遺物を大博物館に移している。現在まで約4万6千点を運び、開館までに約6万点をさらに移転する。1902年に設立されたエジプト国立博物館は建物が古くて狭く、古代遺物を十分に公開できなかった。このため1922年に発掘されたツタンカーメンの副葬品などは5千点以上がほとんど倉庫に放置されている。また、冷房施設がないため非常に暑く、休憩の空間も不足し、疲れた観覧客が遺物に腰掛けて休むほどだった。考古省は、新築の大博物館に7千平方メートルの広さのツタンカーメン展示室を設け、寝台、所蔵品などを展示する計画だ。
徐東一 dong@donga.com