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新統一試合球効果か、リーグ全体の本塁打数が半減

新統一試合球効果か、リーグ全体の本塁打数が半減

Posted April. 23, 2019 09:14,   

Updated April. 23, 2019 09:14

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プロ野球・三星(サムスン)のク・ジャウクは12日、KT戦で決まりの悪い経験をした。

0-0だった4回裏に大邱(テグ)球場のセンターフェンスに向かって打球を飛ばしたら、結構大型のアーチを描いた。本塁打を予感したク・ジャウクは一塁を回りながらガッツポーズをして見せた。しかし喜びは束の間だった。打球は、それ以上飛べず、122メートルと書かれたフェンスのすぐ前でKT中堅手ローハスのグラブに吸い込まれた。三塁を回ったところで状況に気づいたク・ジャウクも呆れた表情をしては、手で口を塞いでベンチに向かった。

今年から新しく導入された統一試合球の効果を端的に見せ付けた場面の一つだ。激しい打高投低を緩和しようと韓国野球委員会(KBO)は試合球の反発係数を約0.01下げることを決定した。反発係数を下げることで飛距離を減らすのが狙いだった。オープン戦でも「違いが分からない」と言われた試合球だが、開幕以降試合を重ねるほど存在感を発揮している。

最も目立つ変化は本塁打数の減少だ。21日までの全125試合で生まれた本塁打はあ200本で試合当り1.6本。激しい「打高投低」のシーズンと言われた昨年の試合当り2.44本(全720試合で1756本)に比べると34%の減少だ。本塁打を見上げるばかりだった外野手たちも忙しくなった。ロッテのソン・アソプは、「前だったら落ちないでフェンスを越えそうな打球がフェンス前で落ちている」と話した。

反発係数減少がもたらした変化は、他の数値からも読み取れる。KBOリーグの公式記録会社「スポーツ2i」によると、昨年本塁打になった打球の平均速度は時速156.1キロだった。ところが今年の平均速度は154.5キロだ。ボールがバットに当たって跳ねる速度が約1.5キロ減ったため、大きな打球が生まれる確率も下がったのだ。ソン・アソプは、「以前はボールが硬くて、カキーンと当たる感じだったけど、今はもろくなってパキッと当たる感じがする」と説明した。

本塁打の飛距離も短くなった。昨季に生まれた全1756本の本塁打の平均飛距離は118メートルで、球場が狭い社稷(サジク)や光州(クァンジュ)球場のセンターフェンス(以上118メートル)も辛うじて超えるほどだた。だが、今年の平均飛距離は115.6メートルで2.4メートル短くなった。打球の飛距離が減ったことで、パワーのシンボルとされたセンターフェンスを越える大型本塁打の割合も昨年は155(264本)だったが、今年は7.5%(15本)と半減した。

このため本塁打を狙う打ち方にも変化がみられる。昨年は巨砲たちが打球の弾道を高めることに集中した。まずボールが高く飛ぶとフェンスを越える可能性が高かったからだ。このため、打球の発射角度という概念が重視され、かつては精度が低いという理由で敬遠視されたアッパースイングが本塁打を生む打撃フォームとして脚光を浴び、広く流行った。

飛距離が短くなったことで、ボールを正確に捉える打撃が必要になってきた。チャン・ソンホKBSN解説委員は、「単に打球を高く上げようとすつのではなく、強く打つことに重点を置いて練習をする打者が増えている。強いインパクトで打球速度を上げないと本塁打が出ないからだ」と話した。全体の本塁打数は減少したが、強い打球の結果である引っ張り打ちで生まれた本塁打数の割合は、昨年の68%から今年は74%に増えた。チャン氏は、「本塁打が出にくくなったため、投手たちも長打へのプレッシャーから解放され、打者とより大胆に勝負する必要が出て来た。そうなると本塁打はますます減る可能性がある」と指摘した。


キム・ベジュン記者 チョ・ウンヒョン記者 wanted@donga.com · yesbro@donga.com