スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)が現代(ヒョンデ)自動車の今年第1四半期(1〜3月)の業績を導いた。パリセードなどのSUVの新車効果で、第1四半期の営業利益が2017年第3四半期以来6期ぶりに前年同期比上昇した。しかし、グローバル市場の萎縮、中国市場の不振などで、傾向的回復を期待するのは早いという評価だ。
24日、現代自は第1四半期の売上高が23兆9871億ウォン、営業利益は8249億ウォンで、前年同期比それぞれ6.9%と21.1%伸びたと発表した。販売台数は102万1377台で、中国景気減速や欧州環境規制の影響のため、前年同期比2.7%減少した。
現代自は、第1四半期の収益性が良くなったことに注目している。販売台数の減少にも関わらず、売上高と営業利益が改善したことは、それだけ付加価値の高い車種を売り、ディーラーに提供するインセンティブを減らしたという意味だからだ。現代自のチェ・ビョンチョル財経本部長(副社長)は同日のカンファレンスコールで、「SUV新車の販売好調と製品ミックス(多様な製品群を確保)の改善効果が本格化したことで質的成長を導いた」と語った。
実際に収益性改善の兆しは、様々な指標から明らかになった。営業利益率は昨年第3四半期は1%台まで落ちたが、今年第1四半期は3.4%まで上昇した。SUV販売台数の割合も、昨年第1四半期の34.3%から38.0%に高まった。現代自の弱点と言われた貧弱なSUVラインナップが、昨年、新型サンタフェ、パリセードの発売によって強化され、収益性改善の立役者となったのだ。
収益性はやや改善したものの、はっきりした回復ぶりと受け止めるには早いという評価も出ている。第1四半期の営業利益が前年同期比上伸びたのは、昨年第1四半期の業績があまりにも悪かった基底効果の影響もある。さらに、米国や欧州などのグローバル市場は引き続き萎縮している。第1四半期の世界の自動車販売台数は前年同期比6.7%減少した。第1四半期の中国地域別販売台数(卸売基準)は、前年同期比19.4%減少した。
現代自は、今年初めに披露した新型ソナタに続き、下半期に出る小型SUVベニュー、中型ラグジュアリーSUVであるGV80、セダンのジェネシスG80などで新車効果を享受しながら成長をリードするという戦略だ。また、次世代プラットフォームの適用など、コスト削減の努力を加えることで、今年の営業利益率を4%以上を上げるという目標だ。
金玹秀 kimhs@donga.com