北朝鮮、板門店宣言１周年記念式への招待に返答せず

「２０１８年４月２７日午前９時２８分」

文在寅（ムン・ジェイン）大統領と金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長が手を取り合って板門店（パンムンジョム）軍事境界線（ＭＤＬ）を越えた瞬間だ。互いを主敵と呼んだ南北指導者が板門店で会ったことも、境界線を越えて足を踏み入れたことも初めてだった。あれから１年が経った。ハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わった後、北朝鮮は韓国政府と対話しようとしない。その結果、「板門店宣言１周年」も韓国政府「単独」で祝う「中途半端な」記念日になりそうだ。

これまで政府は、板門店宣言１周年を記念して様々な共同行事を準備してきた。大小の障害があったが、「ハノイ決裂」までは、北朝鮮との「対話のひも」はつながっていた。しかし、ハノイ会談後、北朝鮮は無返答で一貫している。さらに、北朝鮮のアイディアで京畿道（キョンギド）が推進した「４・２７平和マラソン」も、北朝鮮の無応答で停滞している。当初、北朝鮮は韓国の都羅山（トラサン）南北出入り事務所から出発して、北朝鮮の開城（ケソン）公設運動場までの「マラソンコース」を提案したという。これに対して政府関係者は、「ハノイ会談までは北朝鮮が積極的だったが、会談後連絡が取れていない」と吐露した。

北朝鮮が無返答で一貫し、板門店宣言１周年は韓国だけの祭りになった。中央政府と地方自治体だけでなく民間団体が開く行事だけでも１０にのぼる。統一部とソウル市、京畿道は２７日午後、板門店で韓国と米国、日本、中国の芸術家が参加する公演などが含まれた「遠い道」を開催する。両首脳が手を握って立った場所と３０分間密談した「徒歩橋」にも美術作品が展示される予定だ。

「遠い道」というタイトルには、「遠いが行かなければならない道」という意味も含まれているという。韓国と米国、日本、中国の４ヵ国から芸術家が参加し、韓半島の平和を称えるが、「北朝鮮芸術家」はいない。この行事を企画したタク・ヒョンミン大統領府行事企画諮問委員は、「米朝会談後に困難になった状況と容易ではない旅程に対して理解はできるがもどかしい」と吐露した。韓米日中４ヵ国の芸術家の招待も行事開催わずか１ヵ月前の４月に行われるとされ、にわか作りの行事ではないかという声も出ている。

統一部は、１周年記念日の５日前の２２日、北朝鮮側に行事の開催を通知した。何の返答もしなかった北朝鮮は２５日、祖国平和統一委員会スポークスマンの声明で「迂迴的な返事」を出した。北朝鮮は声明で、韓米合同空軍演習をめぐって、「４・２７板門店宣言と９月の平壌（ピョンヤン）共同宣言に対する挑戦」と激しく非難した。事実上、板門店宣言１周年を祝わないと「拒否権」を行使したのだ。


李知訓 easyhoon@donga.com