「我々は孫興民(ソン・フンミン=27、トッテナム・ホットスパー)の驚異的な能力を知っている。チームに与える影響力が大きい彼が帰ってきて、我々を勝利に導くことを信じる」
イングランド・プレミアリーグ(EPL)、トッテナムのMFムサ・シソコ(30)は敗北を悔やみながらも希望を失わなかった。トッテナムが1日、ロンドンの本拠で行われたアヤックス(オランダ)との欧州チャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦で0-1で敗れた後だった。警告累積で第1戦に欠場した孫興民が9日のオランダ・アムステルダムでの第2戦で劇的な巻き返しを成し遂げることを信じていることを語ったものだ。
この日、現地の中継カメラは観客席で試合を観戦していた孫興民を集中的に捉えた。トッテナムが今季に20得点を挙げている孫興民の空白を埋めることができるかが注目されたからだ。しかし、トッテナムはフェルナンド・ジョレンテ、ルーカス・モウラらFW陣を総動員し12本のシュート(枠内1本)を放ったが無得点に終わった。長身FWジョレンテ(193センチ)の頭を狙った単純なロングパスでは準々決勝で「得点マシーン」クリスティアーノ・ロナウドのユベントス(イタリア)を倒したアヤックスの堅守を崩すことはできなかった。
このため、英国のサッカー専門家たちは、第2戦でトッテナムの運命を分ける中核選手として孫興民を注目している。BBCラジオ解説者のディオン・ダブリン氏は「孫興民は中央に切り込んで相手DF陣を揺さぶる能力に優れている。孫興民の敵陣に侵入する能力とカウンター能力はアヤックスDF陣に大きな脅威になるだろう」と語った。イングランド代表DF出身のリオ・ファーディナンド氏は、「トッテナムが第2戦に復帰する孫興民の持ち味をうまく生かせば駒を決勝に進めることもできるだおる」との見方を示した。
前半15分、ドニー・ファンデベークが先制ゴールを決めたアヤックスは後半戦には主将マテイス・デ・リトを中心にゴール前で大人数のブロックを作ってトッテナムの波状攻撃を防いだ。キム・デギルKBSN解説委員は、「相手守備がゴール前でブロックを作っている時は、ミドルシュートが解決策になり得る。第1戦と同じような状況が繰り広げられれば、様々な角度から両足でミドルシュートを打てる孫興民の強みが効果を発揮するだろう」と話した。孫興民は第1戦を欠場して体力も回復した。マンチェスター・シティ(イングランド)とのCL準々決勝第2戦(先月18日)で2ゴールを決めてから体力面で苦しみ、得点がなかった孫興民だ。
BBCによると、歴代の欧州CLでホームでの準決勝第1戦を落とした17チームのうち決勝に進出したのは1チームだけだ。欧州サッカー連盟は、「孫興民が帰って来るトッテナムは第2戦勝利のために全ての努力を傾けなければならない」とコメントした。トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、「まだ決勝進出が不可能になったわけではない。アウェー戦で巻き返せると信じなければならない」と語った。
鄭允喆 trigger@donga.com