米司法省が9日(現地時間)、国連制裁決議に違反して石炭を輸送した疑いがある北朝鮮船籍の貨物船「ワイズ・オネスト」を差し押さえた。米国が制裁違反を理由に北朝鮮の民間の貨物船を差し押さえたのは初めて。飛翔体の射程距離を伸ばし、脅威を与える北朝鮮への警告メッセージとみえる。
司法省は同日、「北朝鮮の最大貨物船の一つで、石炭の輸送に利用されてきたワイズ・オネストを差し押さえ、米海域に移送中」と明らかにした。また、貨物船を没収するための民事訴訟をニューヨーク南部連邦地裁に起こしたことも明らかにした。
1万7061トン規模のワイズ・オネストは、中国やロシアへの石炭輸出や重装備の輸入に利用されてきた。昨年4月に南浦(ナムポ)港で石炭を積んだ後、東シナ海上を移動してインドネシア当局に摘発され、海洋法違反の疑いなどで調査を受けてきた。貨物船を米国が差し押さえたことで、北朝鮮の2度のミサイル発射後、緊張が高まっている。
トランプ米大統領も同日、北朝鮮の2回目のミサイル発射を受けて、「極めて深刻に受け止めている」と述べた。トランプ氏は、ホワイトハウスでの記者会見で質問を受け、「小さなミサイルで、短距離ミサイルだった」とし、最初の発射当時とは違って「ミサイル」と規定した。そして、「誰もハッピーではない」とし、「注視している」と述べた。また、「彼ら(北朝鮮)が交渉したいことを知っているが、彼らが交渉する準備が整っているとは思わない」と付け加えた。
トランプ氏はただ、イランをめぐる懸案に言及し、「イランも北朝鮮のように潜在力を持っている」とし、「北朝鮮は絶大な潜在力があり、彼(金正恩朝鮮労働党委員長)がこれを台無しにするとは考えられない」と言及した。
ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com