政府が、北朝鮮へのコメの支援に対する意見を収れんする中、実際に支援がなされる場合、コメの価格が今より上がるのではないかと懸念する声が出ている。特に、昨年からコメの価格が上昇し、材料費の負担を抱える自営業者が不安に思っている。今月5日基準でコメの価格は80キロ当たり19万1500ウォンで、過去最低だった2017年7月(12万6千ウォン)より52%上昇した。
過去9度の北朝鮮への支援例を見ると、5回は支援後にコメの価格が下がり、4回は価格が上がった。支援後に価格が下落したのは、00年(―0.7%)、04年(―2.0%)、05年(―7.7%)、06年(―0.5%)、10年(―0.1%)だった。一方、1995年(3.1%)、02年(2.5%)、03年(0.7%)、07年(0.4%)には支援後に価格が上がった。
支援とコメの価格の相関関係が明確でないのは、北朝鮮に送るコメが国内相場にすぐに影響を与える新米ではなく、古米や輸入米が中心だからだ。農林畜産食品部関係者は、「食糧支援は新米よりも2~3年の古米が中心なので、国内の供給に及ぼす影響はほとんどない」との考えを示した。現時点を基準に4ヵ月後には19年産新米の出荷が始まるので、今保管されている17~18年産を北朝鮮に送っても相場は上がらないという説明だ。
このような前例にもかかわらず、北朝鮮への支援がコメの価格上昇に影響を与える可能性があるという懸念の声は依然としてある。コメの価格が暴落するたびに、政界と農民団体を中心に北朝鮮にコメを送って在庫を減らして価格を上げようという主張が出てきた。支援によって供給が減れば価格が上がる効果があるため、このような主張が出たのではないかという見方が多い。
実際に豊作でコメの価格が下落した10年に全国農民会総連盟(全農)などは、「コメの価格の暴落は08年から北朝鮮への支援が中断し、在庫がたまったためだ」という声明書を出した。価格が下落した16年にも、北朝鮮にコメを送ろうという主張があった。昨年2月にも、薛勳(ソル・フン)国会農林畜産食品海洋水産委員長(当時)は、国会討論会で、「北朝鮮への支援でコメ価格の安定と人道的支援という二兎を追うことができる」と強調した。
これに対して農民団体は、過剰量を送ろうということにすぎず、価格の上昇を期待するわけではないと説明した。韓国農業経営者中央連合会関係者は、「在庫量が市場に出れば価格が下落するという不安を減らせるということであって、コメの価格を上げようという趣旨ではなかった」と強調した。
崔惠? herstory@donga.com