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前政権の事件は暴いたが、検察の責任は曖昧にした過去史委員会

前政権の事件は暴いたが、検察の責任は曖昧にした過去史委員会

Posted May. 30, 2019 08:56,   

Updated May. 30, 2019 08:56

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法務部の検察過去史委員会が今月末で活動を終了する。当初昨年8月に活動終了が予定されていたが、活動期間を4度延長して1年半ほど続いた。反倫理的な「釜山(プサン)兄弟福祉院事件」に非常上告を勧告し、金学義(キム・ハクウィ)事件を再捜査するなど一部成果もなくはなかったが、人権が踏みにじられた事件で捜査陣の責任を厳しく問うことができず、政治的事件では偏向性を見せることも少なくなかった。

過去史委は9人の委員のうち委員長を含め過半数の5人が「民主化のための弁護士の会」出身なので、スタート当時から論議が起こった。選ばれた調査対象17件のうち多くが保守政権時代の政治事件だった。一般事件の中で、「薬村(ヤクチョン)五叉路殺人汚名事件」などは含めながら、映画化までされた「梨泰院(イテウォン)殺人事件」は含めず、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が弁護士時代に担った「春川(チュンチョン)強盗殺害事件」は含めるなど、選定基準に統一性もなかった。

過去史委は、「劉宇城(ユ・ウソン)スパイ捏造事件」を放置したことに対して検察総長の謝罪を求めたが、今も現職の当時の捜査検事に対する責任を問わなかった。「参礼(サムレ)ナラスーパー強盗事件」では、真犯人が自白したにもかかわらず釈放した当時の捜査検事(現・大手法律事務所弁護士)の責任すら取り上げなかった。金学義事件の場合、矢を先の大統領府に向けることに汲々とし、遅れてようやく庇護した検事たちに対する捜査を勧告した。捜査が誤ったという結論を下しながら、漠然と政権のせいすることに汲々とし、再発を防止できるのだろうか。

過去史委は、鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)元KBS社長背任事件に対して、検事の公訴提起そのものが違法・不当だったと明らかにした。この事件は、無罪確定判決が下されはしたものの、1審では有罪が宣告された。無罪確定判決だけで、検事の公訴提起そのものが違法・不当というなら、李完九(イ・ワング)元首相を起訴した現検察総長から辞めなければならない。過去史委は「PD手帳」の捜査自体が検察庁法違反と指摘した。しかし、当時、起訴を拒否して辞表を出した検事ですら「検察が農林水産食品部の捜査依頼を受けて捜査したことは正当だった」と主張している。

過去史委は29日、過去の検察の被疑事実の流布行為を批判したが、現検察で被疑事実の公表がより公然と行われている。積弊清算は、歴史から教訓を得て、恥ずべきことを繰り返さないためのものだが、果たして過去史委がそのような役割を果たしたのかは疑問だ。過去史委の終了を機に各省庁の「過去史」云々は終えて、未来に向かって行くことを悩むのが建設的だろう。