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奇数の拍子で流れる奇怪な緊張感

Posted June. 05, 2019 07:44,   

Updated June. 05, 2019 07:44

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「これはワルツ」

英国の音楽家、トム・ヨークの曲「Suspirium」はこの短い文句で始まる。最近、国内で上映された映画「サスペリアの」のテーマ曲。グループ「レディオヘッド」のボーカル、ヨークの映画音楽監督デビュー作。ヨークは、音楽演出のオファーを受け、非常にプレッシャーを感じたという。

1990年代に登場した最も重要なロックバンドメンバー、天下のヨークもそうなのだろう。グループのメンバーでギターリストのジョニー・グリーンウッドは、すでに「ファントム・スレッド」、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」を担い、映画音楽監督として定評を受けている。彼と比較される道を避けることができないと考えたのだろう。

しかも、映画の原作である1977年作「ソスペリア」は、あの有名なドイツのプログレッシブ・ロック・バンド「goblin」が音楽を担当した。怨色で上塗りした映画の奇怪な映像美をナイフの刃のように冷たい音響で増幅させた記念碑的なサウンドトラックだ。

映画の背景は、1977年、ドイツ・ベルリンのバレエ学校。団員はある寄宿舎に泊まり、同じ悪夢に苦しみ、「マダム・ブラン」を始め、運営スタッフは不吉なムードだった。闇が訪れると、学校の隠密な壁の向こうでは奇妙な儀式が開かれる。

「これはワルツ/私たちが/身体について考え/救済を受けるための」

身体をねじり、回転し、空中に飛ぶバレエの動作は、映画で苦行のように描写される。肉体と★人面に下された天刑。「これはワルツ」という第一小節は多分に宣言的だ。5拍子、7拍子、9拍子がそうであるように、奇数の拍子は音楽で不安感を生む。ワルツの3拍子は、奇数拍子の中でそれなりに最も安らぎを与える。しかし、人間が持つ腕と足の数、すなわち2で割れないため、安着できないまま終わりなくさ迷う気分にさせる。昔の欧州の貴族の舞踏会を長時間支えた興奮感は、この3拍子によるのかも知れない。

ヨークは監督をやり遂げた。幽霊のように続く憂鬱な音だけではない。映画の中、バレエの音楽で5拍子と7拍子のリズムを使った。陰鬱な音階とかみ合うよう組み立てた。奇異な踊りはスクリーンの中でも外でも続く。人生がねじれた残忍な拍子に合わせて。

「すべてがうまくいく/私たちが回り続けている限りは・・・」



イム・ヒユン記者 imi@donga.com