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「ファッションではなく私の人生を展示」 DDPでポール・スミス氏の展示会

「ファッションではなく私の人生を展示」 DDPでポール・スミス氏の展示会

Posted June. 07, 2019 08:48,   

Updated June. 07, 2019 08:48

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「私のプレゼンテーションは、退屈ではなかったでしょうか?よかったです!」

長身のファッションデザイナー、ポール・スミスさん(73)が肩に軽く手を置いて話しかけた。5日、ソウル東大門(トンデムン)デザインプラザ(DDP)で会った彼は、自身のキャリア展示会「ハロー、マイ・ネイム・イズ・ポール・スミス」(8月25日まで)の開幕のため韓国を訪れた。

「普通、ファッション展示は服を見せ、ブランドを宣伝します。しかし、私の展示は『ポール・スミス」の成長過程を見せます。ファッションより人生の展示です』

スミスさんは、格式ある紺色のスーツ姿だったが、バーガンディとネイビーの縞模様の靴下を履いていた。礼儀正しく、ウィットがあり、親しみやすい性格がそのままあらわれた。展示にもスミスさんは「謙遜」を強調した。

「展示場の入り口に1坪ほどの私の最初の展示を見ましたか。この展示はつまらない状況から出発し、努力して経歴を作っていくこと、人生に向かう前向きな態度に関する話です」

展示場は、誰にも認められなかった時期から最近までの旅程を見せてくれる。お金がなくてホテルの部屋をショールームにした思い出、初めての売り場で記録したメモなどを見ることができる。ファッションショーが作られる過程を撮った映像もある。スミスさんは、「私のキャリアを具体的にのぞくことができる大変実用的な展示」と語った。

独創的なアイディアが資産であるデザイナーが素顔を公開することは難しくなかったのだろうか。スミスさんに「なぜ秘密を公開するのか」と尋ねた。

「実際に多くの人が、展示がとてもストレートだと言います。しかし、人々ができない一つのことがあります。私の心の中に入ってくることです。好奇心が多く、斜に見ることが好きな私の心は、私だけが見ることができるのです」

2013年、同じ名前で英ロンドンデザイン美術館で初めて行った展示は、ミュージアム史上最も多くの観覧客が訪れた。デヤン・スジック館長(66)は、「私のオフィスの机が世の中で最も散らかっていると思っていたが、それよりも乱れたスミスの机を公開できて楽しかった」と冗談を言った。

韓国にも展示されたスミスさんの机には、最新機器と古いラジオが置かれた、デジタルとアナログの混合が印象的だ。こう話すと、スミスさんは笑ってジャケッのポケットから紙とペンを取り出した。

「おもしろい観察ですね。私は今もアナログのドローイングでアイディアを考えます。もちろん最新技術も活用します。しかし有名な『マルチ・ストライプ』も手作業で作られます。紙の上に様々な色の毛糸を巻いて、立体感を作り、その色がぶつかり合って、非常に正確で幻想的なストライプが誕生します」

40年間続いたあるファンの独特なプレゼントにも会える。椅子、スキー、スケートボード、鶏の人形など様々な物が箱もなく切手だけ貼られて送られて来たという。

「筆跡が毎回同じなので一人が送ったと推測するだけで、誰が送ったのか分かりません。何の見返りも望まない純粋な友情の表現は驚くべきです」

スミスさんは自分を「過去を振り返らず、いつも未来を見る人」と言った。それでも展示を通じて過去を振り返ると、満足すると話した。

「忍耐強くゆっくり何かを積み上げること。多くのことがあまりにも早く起こる今も、私は相変らずそうすることが好きです。若いデザイナーにも良いインスピレーションになることを望みます」


金民 kimmin@donga.com