「進歩」で生きていくことは実に難しい
Posted June. 15, 2019 09:04,
Updated June. 15, 2019 09:04
「進歩」で生きていくことは実に難しい.
June. 15, 2019 09:04.
by 朴湧 parky@donga.com.
韓国には「江南(カンナム)左派」、米国には「リムジン進歩」がある。口では経済的不平等を批判し、低所得層を代弁しているようだが、いざ本人はリムジンを乗り回す偽善的な進歩主義者を保守陣営が攻撃する時に使う言葉だ。英国では、「シャンパン社会主義者」と呼ばれる。「民主的社会主義者」を自任した米大統領候補のバーニー・サンダース上院議員(無所属・バーモント州)が4月に、先送りにしてきた10年分の税金申告の内訳を公開した後、保守陣営の「リムジン進歩」攻勢に苦しんでいる。「富裕層増税」を掲げ、「百万長者スナイパー」と呼ばれたサンダース氏が、この2年間で約20億ウォンを得た上位1%の「百万長者」だった。議会専門サイト「ザ・ヒル」は、サンダース夫妻が昨年、米国の家庭の所得平均(6万1千ドル)の9倍の56万1293ドルを得た」と伝えた。大統領選翌年の2017年には113万1925ドルを得た。サンダース氏は、「運が良い」と話したが、運で稼いだ金ではない。自身が批判した勝者一人占め社会で、上位1%のスーパースターの成功公式に忠実に従ったにすぎない。サンダース氏は先の大統領選を経て全国区のスター政治家に跳躍した。米政界には珍しい「民主的社会主義」路線で他候補との差別化にも成功した。大ヒットできる拡張性と差別性というスーパースターの条件を満たしたと見なければならない。サンダース氏は勢いに乗って、大統領選直後、ベストセラー『私たちの革命(Our Revolution)』を出版するなど、ヒット作を出した。米紙ニューヨーク・タイムズは、「サンダー氏は本で16年に84万ドル、17年に85万6千ドルを得た」と伝えた。公正な市場で選択されたなら、いくらを儲けようが非難することはできない。サンダース氏も、「ベストセラー本を書いたことを謝罪すべきだと考えるなら、申し訳ないが、私はそうでないと考える」と話した。同紙とのインタビューでは、「ベストセラー本を書くなら、あなたも百万長者になることができる」と述べた。それが容易なことだろうか。ごく少数の選ばれた者だけが手にできる金だ。上位1%の独占を批判したサンダース氏が、「勝者一人占めのピラミッド」の頂点に立ち、自身の所得を正当化する姿に混乱させられる。進歩指向作家のクリスティーン・テイトは、ザ・ヒルへの寄稿文で、「サンダース氏が、自分のやり方で頂点に上がった、熱心に働く人を侮辱した。サンダース氏は、自分と異なる手段で多くの金を稼ぐことは犯罪ではないということを熟考しなければならない」と指摘した。サンダース氏は卒業生400人の学資ローンを代わりに返済するという億万長者投資家の約束について、「非常に寛大なことだが、国家がすべきこと」と意味を切り下げた。そのためか、サンダース氏は昨年の総所得の3.4%である1万9千ドルを寄付した。本の印税の一部も寄付したが、サンダース氏の資産規模と昨年の税金、破格の「富裕層増税」主張を思い出せば、物足りないことも事実だ。サンダース氏の昨年の税金は14万5840ドル。実効税率は26%だ。これに対して、進歩陣営では、「そのためにサンダース氏が当選して富裕層の税率を上げなければならない」と主張し、保守陣営では「自分の金は隠し、他人の金は使う典型的な社会主義者」と批判する。社会的、経済的弱者の側に立つという信念と政治的想像力は尊重されなければならない。他人を批判しながらも、行動で、実力で信頼を与えることができなければ、厳しい検証を受ける。大統領選に再出馬するサンダース氏が、世論調査で「中産層組」と呼ばれる中道派のジョー・バイデン元副大統領に後れを取り、進歩指向のエリザベス・ウォーレン上院議員にも猛追撃を受けるのには理由があるだろう。「進歩」で生きていくことは実に難しい。
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韓国には「江南(カンナム)左派」、米国には「リムジン進歩」がある。口では経済的不平等を批判し、低所得層を代弁しているようだが、いざ本人はリムジンを乗り回す偽善的な進歩主義者を保守陣営が攻撃する時に使う言葉だ。英国では、「シャンパン社会主義者」と呼ばれる。「民主的社会主義者」を自任した米大統領候補のバーニー・サンダース上院議員(無所属・バーモント州)が4月に、先送りにしてきた10年分の税金申告の内訳を公開した後、保守陣営の「リムジン進歩」攻勢に苦しんでいる。
「富裕層増税」を掲げ、「百万長者スナイパー」と呼ばれたサンダース氏が、この2年間で約20億ウォンを得た上位1%の「百万長者」だった。議会専門サイト「ザ・ヒル」は、サンダース夫妻が昨年、米国の家庭の所得平均(6万1千ドル)の9倍の56万1293ドルを得た」と伝えた。大統領選翌年の2017年には113万1925ドルを得た。サンダース氏は、「運が良い」と話したが、運で稼いだ金ではない。自身が批判した勝者一人占め社会で、上位1%のスーパースターの成功公式に忠実に従ったにすぎない。
サンダース氏は先の大統領選を経て全国区のスター政治家に跳躍した。米政界には珍しい「民主的社会主義」路線で他候補との差別化にも成功した。大ヒットできる拡張性と差別性というスーパースターの条件を満たしたと見なければならない。サンダース氏は勢いに乗って、大統領選直後、ベストセラー『私たちの革命(Our Revolution)』を出版するなど、ヒット作を出した。米紙ニューヨーク・タイムズは、「サンダー氏は本で16年に84万ドル、17年に85万6千ドルを得た」と伝えた。
公正な市場で選択されたなら、いくらを儲けようが非難することはできない。サンダース氏も、「ベストセラー本を書いたことを謝罪すべきだと考えるなら、申し訳ないが、私はそうでないと考える」と話した。同紙とのインタビューでは、「ベストセラー本を書くなら、あなたも百万長者になることができる」と述べた。それが容易なことだろうか。ごく少数の選ばれた者だけが手にできる金だ。上位1%の独占を批判したサンダース氏が、「勝者一人占めのピラミッド」の頂点に立ち、自身の所得を正当化する姿に混乱させられる。進歩指向作家のクリスティーン・テイトは、ザ・ヒルへの寄稿文で、「サンダース氏が、自分のやり方で頂点に上がった、熱心に働く人を侮辱した。サンダース氏は、自分と異なる手段で多くの金を稼ぐことは犯罪ではないということを熟考しなければならない」と指摘した。
サンダース氏は卒業生400人の学資ローンを代わりに返済するという億万長者投資家の約束について、「非常に寛大なことだが、国家がすべきこと」と意味を切り下げた。そのためか、サンダース氏は昨年の総所得の3.4%である1万9千ドルを寄付した。本の印税の一部も寄付したが、サンダース氏の資産規模と昨年の税金、破格の「富裕層増税」主張を思い出せば、物足りないことも事実だ。サンダース氏の昨年の税金は14万5840ドル。実効税率は26%だ。これに対して、進歩陣営では、「そのためにサンダース氏が当選して富裕層の税率を上げなければならない」と主張し、保守陣営では「自分の金は隠し、他人の金は使う典型的な社会主義者」と批判する。
社会的、経済的弱者の側に立つという信念と政治的想像力は尊重されなければならない。他人を批判しながらも、行動で、実力で信頼を与えることができなければ、厳しい検証を受ける。大統領選に再出馬するサンダース氏が、世論調査で「中産層組」と呼ばれる中道派のジョー・バイデン元副大統領に後れを取り、進歩指向のエリザベス・ウォーレン上院議員にも猛追撃を受けるのには理由があるだろう。「進歩」で生きていくことは実に難しい。
朴湧 parky@donga.com
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