2006年の韓国プロ野球(KBO)のオールスターゲーム。西軍監督を務めたハンファの金寅植(キム・インシク)氏(72)は、自軍から高卒新人の投手1人を監督推薦選手としてオールスターゲームに登板させた。「身内びいき」という批判はなかった。同年夏に1000万観客を動員した奉俊昊(ポン・ジュンホ)監督の映画題名を異名に得た若手投手は、プロデビュー3ヵ月あまりで勝利数(11勝)、防御率(2.26)、奪三振(123個)で1位となり、KBOリーグを支配していた。
19歳でスタープレイヤーたちの球宴に初めて招かれた「怪物」柳賢振(リュ・ヒョンジン=32、ロサンゼルス・ドジャース)が、今はメジャーリーグのオールスターゲームでスポットライトを一身に受けることになった。柳賢振は1日に発表されたナショナルリーグのオールスターゲーム出場投手リストにチームメイトのクレイトン・カーショー(31)、ウォーカー・ビュラー(25)とともに名を連ねた。
しかも先発登板が確実視されている。ナ・リーグ監督を任されたドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、1日のインタビューで「柳賢振が先発投手を務めると思う」と明らかにした。その後、ロサンゼルス・ドジャース球団が「あなたのナ・リーグのオールスターゲーム先発投手」というタイトルとともに、柳賢振の写真を公式ツイッターに掲載し、先発登板を予告した。柳賢振は、「オールスターゲームに先発登板するのは、物凄い光栄だ。言葉で言い表せないほど幸せな前半戦を送った。運も味方したし、同僚たちにも沢山助けられた」と感激そうに語った。
オールスターゲームの先発投手は、該当シーズン前半戦に最高の成績を挙げた投手に任される。昨年先発登板したマックス・シャーザー(35)は前半戦に12勝5敗、防御率2.41と圧倒的な活躍をした。柳賢振は、今季の16試合で9勝2敗、防御率1.83を記録している。両リーグを通じて唯一1点台の防御率をマークしており、出塁許容率(WHIP)も0.90で最も低い。mlb.comは、オールスターゲームのロースターを公開しながら、「柳賢振は今季に15試合目の先発登板までに自責点2以上を許していなかった。同期間、四球はたった6個だけを与えた。彼は韓国人では初めてオールスターゲームに先発登板する機会を掴んだ」とコメントした。
韓国人では朴賛浩(パク・チャンホ)氏46)が2001年に、金炳賢(キム・ビョンヒョン)氏(40)が2002年にオールスターゲームに投手として登板した。それぞれ2番手、7番手だった。野手では昨年、秋信守(チュ・シンス=37)が唯一オールスターゲームに出場している。柳賢振はに先立ってオールスターゲームに先発登板したアジア出身投手には1995年の野茂英雄氏(51=当時ドジャース)がいる。体を思いっきり捻り、大きく回転させながら投げる「トルネード投法」をトレードマークだった。野茂氏は、デビューシーズンだった1995年に13勝5敗、防御率2.54、236奪三振を記録し、ナ・リーグ新人王と奪三振王に輝いた。
今年のオールスターゲームは10日、オハイオ州にあるクリーブランドの本拠地プログレッシブフィールドで行われる。柳賢振は5日、本拠地でのサンディエゴ・パドレス戦で前半戦最後の登板が予定されている。4日休んでオールスターゲームに出場するだけに、体調管理に問題はなさそうだ。柳賢振は、「オールスターゲームの日は、もともとボールを投げる日だ。(オールスターゲーム)ブルペン投球をする気持ちでコンディションを管理したい」と話した。
チョ・ウンヒョン記者 yesbro@donga.com