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5万4000人が尊厳死を選んだ

Posted July. 12, 2019 10:58,   

Updated July. 12, 2019 10:58

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11日午後3時、ソウル城北区(ソンブクク)にある事前医療意向書の相談センター。ソウル恩平区(ウンピョング)に居住するリュさん(78)がドアを開けて入ってきた。まだ体の悪いところはないが、後に備えて事前延命医療意向書を作成するためだった。リュさんは、「数日前に会った姉から事前延命医療意向書を登録したと言われたので、私もその気はあったので、今日申請に来た」と話した。そのうえで「意識不明の高齢者がホースをぶら下げている姿を見ると、とても残念だった」とし、「そのよう死を迎えたくないので、申請書を書く決心をした」と語った。

リュさんのように、体が健康であるとき、あらかじめ延命医療の意向を決める「事前延命医療意向書」を作成する人が最近増えている。延命医療とは心肺蘇生法、人工呼吸器着用、血液透析、抗がん剤投与、体外生命維持術など、治療効果なしで臨終期間だけを延長する医療行為を意味する。昨年2月に延命医療決定法(別名尊厳死法)が施行され、患者や家族は延命医療の中止決定を下すことができるようになった。

11日、保健福祉部によると、尊厳死法施行から1年5ヶ月後である先月30日までに延命医療意向書を作成した人は25万6025人と集計された。約半年前の1月3日までに10万1773人が作成したことに比べると、2倍以上増えた。

同期間、尊厳死を選択した患者も5万人を超えた。11日、保健福祉部によると、延命医療を最初から受けない「留保」の決定をしたり、受けていた延命治療をやめる「中止」の決定を下した患者は、先月30日まで5万3900人だった。男性は3万2460人、女性は2万1440人だ。このうち31.9%(1万7738人)は、患者が直接延命医療中止の意思を明らかにした場合だ。末期・臨終期患者が医師と相談の下に作成する延命医療計画書を書いた事例は31.9%(1万7196人)だった。事前延命医療意向書を作成したのは1%(542人)だった。

しかし、患者10人中約7人は、家族が延命治療中止を決定することが分かった。患者家族全員の合意で延命治療を中止した患者の割合は34.8%(1万8775人)だった。患者家族2人以上が「患者が普段延命治療を望まなかった」と一致する陳述をして治療を中止した場合も32.3%(1万7387人)に達した。これは、患者がまだ延命医療計画書を書いていない状況で、臨終期に入ったので、家族が代わりに決定を下したとみられる。

ホン・ヤンヒ事前医療意向実践会の代表は、「延命医療決定法は、人々が自分の人生を省察し、死の準備ができるようにする制度だ」とし、「事前延命医療意向書を作成する人は増えているが、まだ制度を知らない人も多いので、より多く広報が必要だ」と語った。


ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com