Go to contents

中東から米国がいなくなった間に…中ロが軍事・経済力で影響力を拡大

中東から米国がいなくなった間に…中ロが軍事・経済力で影響力を拡大

Posted July. 25, 2019 07:33,   

Updated July. 25, 2019 07:33

한국어

23日、韓国の領空を侵犯し、前例のない共同軍事挑発を行った中国とロシアが、最近中東でも密着している。費用を理由に米軍の海外駐留を敬遠するトランプ米政権が2017年1月に発足して以降、このような現象が目につく。特に、ロシアは軍事力、中国は経済力を前面に出して中東内の米国牽制に力を入れている。

●親米のイスラエル、エジプトでも中ロの影響

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ、米アラブ専門シンクタンク「ワシントン・アラブセンター」などによると、アラブの代表的な親米国家のエジプトでは、ロシアと中国の影響力が急速に拡大している。代表的な例がミグやスホーイ戦闘機を中心とするロシア兵器の導入、22年に完工予定の新行政首都建設に投入された大規模な中国資本などだ。

米国の核心同盟であるイスラエルでも状況は似ている。イスラエルのネタニヤフ首相は15年以降、ロシアを9回も訪れた。11年にイスラエルと国境を接するシリアで内戦が起こって以降、ロシアはシリアに積極的に介入している。イスラエルは15年、中国・上海国際港務グループに今後25年間、戦略的要衝地であるハイファ湾の開発および運営を委ねた。

1991年の湾岸戦争を機に、中東に軍隊を大規模に駐留させた米国は、2001年のアフガニスタン侵攻、03年のイラク侵攻の時に莫大な被害を受けた。オバマ前政権は、「アジアへの回帰」政策を通じて事実上、中東から手を引いた。これにより、シリア内戦、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭などに十分に対処できなかったという批判も受けた。トランプ大統領は、大統領選の時から、「歴代米政権が不必要に国際警察役をし、国力を浪費した」と主張した。最近のイランとの緊張高揚で、中東に一部軍隊を送っているが、「最強大国の影響力」より「金」を重視する実業家出身大統領の性質は変わっていないという指摘が多い。

●軍事力のロシアvs経済力の中国

15年からシリアの内戦に介入したロシアは、アサド大統領と手を握り、軍事支援をした。特に、圧倒的な威力を保有するロシア空軍の絨毯爆撃が大きな役割を果たしたことで、反政府軍とISに押されていた政府軍が戦況を覆した。ロシアは、シリアを踏み台にイスラエルに圧力をかけようとするイラン、シリアとイラクのクルド人の独立を阻止しようとするトルコのような中東内の他の強国の外交安保戦略まで牽制しようと考えている。

北大西洋条約機構(NATO)の核心加盟国であるトルコも最近、米国の反発にもかかわらず、ロシア版高高度迎撃ミサイルシステム、「S400ミサイル」を導入した。米ジョージ・メイソン大学政治学科のマーク・キャッツ教授は、アルジャジーラに、「ロシアは中東で広範囲な協力を推進している。中東の各国に『ロシアに協力すれば役に立つ』という認識を与えた」と指摘した。

中国は最近、クウェートとの協力を強化している。特に、イラクと国境を接した北部の新都市建設にチャイナマネーを投じている。湾岸戦争当時、イラクに侵攻されたクウェートは、安全保障の不安が大きく、首都クウェートシティと他の都市間の貧富の格差もはげしい。様々な点で中国と手を握り、経済・軍事協力を強化するほかない状況だ。

ロシアと中国の中東への影響力がさらに大きくなる可能性も高い。ある中東専門家は、「米国は支援をする時、民主主義、人権など難しい条件を掲げるが、ロシアと中国は自国の利益に合致すれば、これらの点は全く要求しない。専制王政や軍部政権の多くの中東国家では無視できない」と指摘した。


李世亨 turtle@donga.com