「C・ロナウド欠場問題」で波紋を広げているイタリアの名門クラブ、ユベントスFCの対応を巡り批判の声が高まっている中、今度は入国過程と試合進行について嘘と無理な要求をしただけでなく、違法な宣伝広告をしていたことまで明るみに出た。
Kリーグオールスターとの親善試合が行われた26日、ユベントスは午後3時頃、仁川(インチョン)国際空港の入国ロビーを出た。このため、3時に予定されていたファン交流会などのイベントは次々と縮小されたり、ずれ込み、試合のキックオフが1時間近く遅れる前代未聞の事態が起きた。ユベントスのマウリツィオ・サッリ監督は、「韓国での入国手続きで時間がかかり過ぎた」と釈明した。ユベントスの関係者も、試合を主催したザ・フェスタを通じて、「韓国の入国審査でパスポートを一括回収するなど2時間以上がかかった」と説明した。
しかし、東亜(トンア)日報が法務部の出入国管理本部に確認したところ、事実でなかった。法務部側は取材に対し、「ユベントスが入国審査場に現れたのは午後2時38分で、選手団78人全員に対する入国審査が終わるまで計26分がかかった。パスポートを回収したことがなく、一般の入国者と同じく対面審査を行った」と返答した。
入国が遅れたと嘘の釈明をしたユベントスは、スケジュールがずれ込んだ理由を、韓国プロサッカー連盟に「試合を午後9時に遅らせなければ試合をキャンセルすることもあり得る」と脅したことも、明らかになった。連盟は30日、「ユベントスが、試合時間を前後半45分ずつから各40分に縮小し、ハーフタイムも15分から10分に減らすことを提案したが、断った」と明らかにした。連盟は、ユベントスの無責任な振る舞いに対し、クラブと所属するリーグのセリエA宛に抗議の書簡を送った。
ユベントス選手団の一部が入国後に搭乗した「イヴェコ・デイリーライン」のミニバスも現行法違反の車両であることが判明した。国内には発売されていない同バスは、期限1年の臨時ナンバーを付けて、車体の外側にユベントスのロゴマークを付けて宣伝目的で使われた。イヴェコ韓国法人もホームぺージなどに、「ユベントスの公式儀典車両としてデイリーラインのミニバスを初めて披露される」と宣伝した。
だが、現行の自動車管理法は試験・研究用として登録された車両を宣伝などの目的で使うのを禁止している。文化・スポーツ行事に使うためには、登録の際に目的を明確にしなければならない。同車両の臨時ナンバーを発行した光州市光山区(クァンジュシ・クァンサング)は、「試験研究用として登録を承認した」と確認した。他の用途で使う場合は過料300万ウォンが科される。
イヴェコはイタリアの財閥エクソールグループ傘下の自動車メーカーで、ユベントスとユベントスのメインスポンサーであるジープも同グループの系列会社だ。ユベントスのアンドレア―・アニェッリ会長は、エクソールの理事でもある。イヴェコが姉妹クラブのユベントスの訪韓イベントに乗じて違法マーケティングをしたと指摘する声があがっている。
李沅柱 takeoff@donga.com · 鄭允喆 trigger@donga.com