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「最後の抗生物質」も効かないスーパーバクテリアが欧州で拡散

「最後の抗生物質」も効かないスーパーバクテリアが欧州で拡散

Posted August. 02, 2019 08:58,   

Updated August. 02, 2019 08:58

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欧州全域で「最期の抗生物質」さえ無力化させるスーパーバクテリアが急速に広がっているという警告が出た。アフリカコンゴ民主共和国(民主コンゴ)では、エボラウイルスが再び蔓延して、最近、世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言した。

英国のBBCとフランス紙ル・パリジャンによると、欧州全域244の病院や感染症患者に対する共同研究を実施した結果、最後の抗生物質と呼ばれる「カルバペネム」でも治すことができないスーパーバクテリアが発見された。スーパーバクテリアは毒性が強く、現在まで開発された各種の抗生物質を使っても死なない細菌を意味する。抗生物質の乱用から始まった。

特に最近拡散されたスーパーバクテリアは、互いに結合しながら抗生物質の耐性を育てていると分析された。細菌間の繁殖行為に当たる接合(conjugation)を通じて、互いに異なるバクテリアが細胞質DNAであるプラスミド(Plasmid)を共有する過程で、抗生物質の耐性が強くなったという。この場合、通常のバクテリアでも抗生物質への耐性の強いスーパーバクテリアに接合することで、スーパーバクテリアに変わる。抗生物質への耐性がさらに強化された変種肺炎桿菌が急増し、カルバペネムさえ効かなくなる最悪の状況が懸念される。

この研究を主導した英サンガー研究所のソフィア・デビッド博士は、「拡散が速いうえ、最後の抗生物質さえ効かないので、問題が深刻だ」とし、「特に病院内で人から人へとバクテリアが広がっている」と明らかにしたと、BBCは伝えた。

スーパーバクテリアの拡散は、欧州を越えて全世界、さらには人類を脅かしている。英抗生物質耐性対策委員会の報告書によると、現在の傾向が続くなら、2050年以降、世界で年間1000万人以上が抗生物質耐性細菌の感染で死亡するとみられる。これによる社会的コストは11京ウォンに達する。

一方、民主コンゴ地域では、昨年8月3日に初めてエボラ発症事例が報告された後、現在までエボラが急速に広がっており、懸念を生んでいる。エボラウイルスは昨年、民主コンゴ北東部の農村地域を中心に拡散され、1680人を死亡させた。エボラウイルスは、今年6月に国境を越えてウガンダで拡散され、最近、民主コンゴ東部の最大都市であり、ルワンダとの国境地帯ゴマにも広がって、先月30日と31日に相次いで二人の死者が発生した。これに先立って先月17日、WHOは、民主コンゴのエボラ事態を史上5回目の国際保健緊急事態に宣言した。

エボラ発症後、1年間事態がさらに悪化したのは、民主コンゴの住民の根深い政府不信が主な原因となった。英紙ガーディアンによると、民主コンゴの住民たちの間では、「政府が存在しないウイルスの恐怖を操作して、政府に批判的な声を静めようとしている」「西側から取り寄せた薬品はワクチンではなく、エボラウイルスだ」という噂が広がっている。医療当局のワクチン接種や追跡調査に応じず、むしろ医療スタッフを襲撃する事態が発生しているという指摘だ。英ガーディアンは、「内戦を行いながら、民族浄化を繰り返した政府が国民の信頼を失った結果だ」と伝えた。


パリ=キム・ユンジョン特派員、チョン・チェウン記者 zozo@donga.com · chan2@donga.com