太ももの筋肉運動とバーベルを使ったコア強化動きから、ドリブルとシュートのトレーニングまで…。汗をダラダラ流しながら、運動の方法と難易度をユーチューブで親切に説明するプロサッカーKリーグ1蔚山(ウルサン)ミッドフィルダー、キム・ボギョン(30)の姿だ。
今年3月に自分の名前の頭文字を取って、「KBK・Footballテレビ」をユーチューブに開設したキム・ボギョンは、登録者数1万5000人を保有する「スターユーチューバー講師」だ。英国と日本などの海外リーグでプレー経験を積んだ彼は、ユーチューブを通じて、自分が体得した訓練方法と試合映像分析方法などのノウハウを公開している。「ユース選手たちに役に立ちたくて、ユーチューブを始めた。ところが、次第にサッカーに関心の多い一般人も(私の訓練方法を)を真似し始めた。だから今は、誰もが理解しやすく、注意すべき点などを字幕で説明している」
国家代表出身の選手たちが、ユーチューブに投稿した映像を見て運動する「ホームトレーニング」が脚光を浴びている。キム・ボギョンのユーチューブ映像には、「お金を払っても学べない国家代表の講習!最高!」などのコメントが書き込まれる。チェ・ウォングンさん(29)は、「キム・ボギョンの運動法を真似した後、早起きサッカーに出た。するとパワーが向上し、相手選手とぶつかるとき持ちこたえることができた」と語った。週2、3回行うパーソナルトレーニングスケジュールに合わせて映像を撮影するキム・ボギョンは、「周りから『あれほど良いものを、他の人に教えていいのか』という話を聞くこともあった。しかし、一般の人たちがサッカーを学べる経路をもう一つ開いたことで満たされることを感じている」と語った。
卓球国家代表出身のキム・ジョンフン(37)は、「国家代表キム・ジョンフン卓球クラブ」というユーチューブチャンネルを運営している。そのチャンネルの登録者であるキム・キスさん(23)は、「卓球練習場に足を向ける手間を減らし、様々な技術をユーチューブで簡単に無料で接することができていい」と話した。キム・ジョンフンは、「現役から引退後、卓球クラブを運営しながらアマチュアたちに会ってアドバイスをしたことが多い。より多くの人々に技術を伝授するために、ユーチューブに進出した」と語った。彼は、自分のラケットを手にしてボールを打ちながら、アマチュアの目線で説明するために努力する。フォアハンドとバックハンドなどの基本技術からループドライブなどの高度な技術まで83件の講義映像が掲載されている。卓球に興味のある一般の人たちと「キム・ジョンフンに勝って」という名称のイベント試合を繰り広げることもある。
ユーチューブには、いわゆる「ホームトレーニング」を受けられるチャンネルが多い。2010広州アジア大会サイクル金メダリスト出身のパク・ソンホ(35)が運営する「百万キロ・サイクルアカデミー」、広州アジア大会競泳銀メダリストのパク・ソングァン(28)が開設した「PSKTV」、2012ロンドンオリンピックで柔道銅メダルを獲得したチョ・ジュンホ(31 )などが運営する「Hanpan(一本)テレビ」など、種目も多様だ。
ユーチューブのホームトレーニングは、生活体育活性化にも寄与している。キム・ジョンシク円光(ウォングァン)大学スポーツ科学部教授は、「生活体育で最も重要なのは継続性だ。継続性は、指導者の指導効率性によって影響を受ける」とし、「トップの座についた専門家が直接教えるユーチューブは、指導の効率性が高く、生活体育者たちの運動の継続意思を引き出すことができる」と語った。
鄭允喆 trigger@donga.com