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トランプ氏がグリーンランド買収に関心を持つ理由は

トランプ氏がグリーンランド買収に関心を持つ理由は

Posted August. 21, 2019 09:44,   

Updated August. 21, 2019 09:44

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トランプ米大統領が、デンマーク領のグリーンランドの買収に関心を持っている。経済的には中国を、軍事的にはロシアを牽制できる要衝地と見るからだ。

19日、トランプ氏はツイッターに屋根が低いグリーンランド特有の建物の間に巨大な現代式の建物、トランプタワーが入った合成写真を載せ、「グリーンランドにこういうことはしない」と主張した。トランプ氏は、ホワイトハウスがグリーンランド買収について議論したという米メディアの18日の報道を否定しなかった。

グリーンランドには、莫大な量のレアアースが埋蔵されている。レアアースは、「4次産業革命のコメ」と呼ばれ、半導体、レーザーなど先端製品の生産に欠かせない。世界の生産の80%が中国でなされており、米中の貿易合戦後、中国は米国へのレアアースの輸出中止を言及し、米国に圧力をかけてきた。英紙ガーディアンは同日、グリーンランド南西部のクバネフィエル鉱山には少なくとも1千万トン以上の鉱物質が埋蔵されているとし、米国が関心を向ける理由を指摘した。

ロシアの首都モスクワまでわずか3600キロで、地政学的な価値も高い。米国はデンマークと軍事防衛条約を結び、1953年からグリーンランドにチューレ空軍基地を置いている。ここで大陸間弾道ミサイル(ICBM)早期警報体制も備えている。

トランプ氏は、「グリーンランドはデンマークに金のかかる島」と強調し、デンマークと交渉に持ち込みたいと考えている。トランプ氏は、「デンマークの納税者は、グリーンランドに毎年700万ドルを払っている。米国は世界の多くの国家同様、デンマークを保護する」と主張している。米大統領がグリーンランドに関心を持ったのは初めてでない。1867年にジョンソン元大統領、1946年にはトルーマン元大統領も買収を提案したが、実現しなかった。デンマーク側は、「グリーンランドは販売品ではない」と反発している。

経済領土拡張プロジェクト「一帯一路」を推進している中国も虎視耽々とこの島を狙っている。中国は欧州に通じる海上の輸出ルートのために「北極シルクロード」を推進し、グリーンランドを利用しようとしている。米紙ウォールス・トリート・ジャーナルは、中国がグリーンランドに3つの空港建設資金を支援しようとし、今年初めに辞任したマティス米国防長官(当時)が懸念を示したという。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com