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中間層が減り、青少年は「公務員」を夢見る国

中間層が減り、青少年は「公務員」を夢見る国

Posted September. 05, 2019 07:42,   

Updated September. 05, 2019 07:42

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中間層の割合は、その国の政治・経済の安定性を計る役割をする。韓国は毎年、中間層が薄くなって、貧困層の割合が増えているが、これは最近、韓国社会で現れる経済的不満と政治的不安定の根本的原因となっている。

最近、企画財政部の発表によると、今年第2四半期(4~6月)の中間層の割合は58.3%だ。全世帯の所得中間順位で上下50%、すなわち50~150%の世帯を中間層とすると、2015年は67.9%、2016年は66.2%だったが、2017年は63.8%、2018年は60.2%に落ち込んだ。中位所得の50%未満である貧困層世帯の割合は、2015年の12.9%から今年第2四半期は17%まで上がった。

文在寅(ムン・ジェイン)政府発足後、重点的に実施した一連の所得政策がかえって逆効果を表しているのではないか振り返る必要がある部分だ。中間層の縮小は、政治社会的不安要素だと同時に、消費減少と投資不振、雇用縮小につながる可能性が高い。

もちろん、中間層の没落は、韓国だけの現象ではない。今年4月、経済開発協力機構(OECD)が発表した報告書を見ると、加盟国全体の中間層(中位所得の75~200%)の割合が、1980年代半ばは64%だったが、2010年代半ばは61%まで低下した。これが、既存政界への幻滅と保護主義ナショナリズムを打ち出すポピュリズムの原因となっている、というのがOECDの指摘だ。

さらに大きな問題は、ますます中間層の割合が下がり、社会の安定性が揺れる現象は、青少年の将来進路にまで影響を及ぼしていることだ。ベビーブーム世代は、10中7人が中間層だったが、次の世代は6人に減った。その次の世代では、5人台は保つことができるかが心配になるほどだ。中間層が徐々に沈む現象を見ながら、若者が挑戦と達成よりは安定した仕事を望むのは当然の現象だ。

最近、ソウルの中学生1390人を対象にした進路選択調査で、10人中4人は、将来の希望が「ない」と答え、「ある」と答えた生徒の中には、1位が「公務員」で19.9%だった。2位の「専門職」の10.4%より2倍近くも高い数値だ。中間層はますます縮小し、青少年の将来の最高の希望が公務員であり、大学に入っても、その大半が公務員試験を準備する国の未来は暗い。