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戦時作戦権返還は政権任期に追われたり国連軍司令部の地位を揺るがしてはならない

戦時作戦権返還は政権任期に追われたり国連軍司令部の地位を揺るがしてはならない

Posted September. 17, 2019 08:29,   

Updated September. 17, 2019 08:29

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韓米軍当局が最近、戦時作戦統制権(戦作権)返還後の在韓国連軍司令部の地位と権限に対する議論に入った。戦作権返還後に創設される未来連合軍司令部と国連軍司令部の指揮体系の混乱に対する懸念を受け、調整が始まったのだ。

現在は、米軍大将が在韓米軍司令官、韓米連合司令官、国連軍司令官を担っている。しかし、戦作権が返還されれば、米軍は国連軍司令官は維持するが、未来連合司令部では副司令官を務める。1978年に韓米連合司令部が創設され、休戦協定維持の任務は韓米連合司令官が国連軍司令官の指示に従った。これまでは国連軍司令官と韓米連合司令官が同じなので問題はなかったが、戦作権返還後は韓国軍と米軍に分かれ、混乱が避けられない。米軍の兵器体系を熟知しない韓国軍司令官の指揮能力も指摘されている。

国連軍司令部の地位問題は単に戦作権返還後だけでなく韓半島平和体制の行方、在韓米軍の未来とも直結する敏感な問題だ。北朝鮮はこれまで平和協定の締結と国連軍司令部の解体を主張してきた。しかし、政府は平和協定締結後も、北東アジア均衡者の役割をする在韓米軍が必要であり、国連軍司令部がその中心になるという立場を堅持してきた。国連軍司令部の地位と機能は、今後の平和体制構築または北朝鮮急変事態の時にも揺らいではならない。

戦作権は、2014年10月の韓米年次安保協議会(SCM)で、時期を定めずに韓国軍の核心軍事能力、北朝鮮の核・ミサイルに対する十分な防衛能力、韓半島および域内の安保環境などを評価して返還することで合意した。しかし、これは最小限の必要条件だ。これを後押しする韓米同盟は、合同軍事演習の縮小、在韓米軍駐留経費負担問題などで体質が弱まっている。韓日関係は経済対立を越えてGSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)破棄に至るまで悪化した。歴代の韓米連合司令部副司令官が最近、大統領府に戦作権返還と韓米連合司令部の平沢(ピョンテク)基地移転を完全な北朝鮮非核化達成後に延期することを提案したのも、このような直・間接的な安保状況を懸念したからだ。

一部では、現政権が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内に戦作権を返還しようと急いでいるのではないかという指摘も出ている。国家の安全に直結する韓米連合指揮関係の変化で、時期よりも重要なことは隙のない完全な自主国防能力だ。理想と時間に追われて穴が空いた安保になってはならない。