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赤いズボンがフランス

Posted September. 24, 2019 08:56,   

Updated September. 24, 2019 08:56

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昔の軍人はできることなら華やかさを見せびらかそうとした。ローマ軍は光る銀の鎧で武装し、貧弱な周辺の民族を震え上がらせた。朝鮮軍は、韓紙の厚さと丈夫さを利用して紙の鎧を着用した。鋼鉄や革のように丈夫ではなかったが、壁紙やコピー紙のように薄くはなく、簡単に破れることはなかった。

銃と火薬の登場で鎧が姿を消すと、軍隊は強さの代わりに色を選んだ。ナポレオンの時代、欧州軍は軍服に原色を導入した。英国軍を「レッドコート」と呼ぶように国ごとにシンボルカラーが生まれた。当時の記録では、国の名前の代わりにホワイト、ブルー、レッド、グレーの軍隊と呼んだ。

原色の軍服を着ると、小銃兵の標的にならなかったのだろうか。18世紀までは銃の威力が弱く、近接射撃をしなければならなかった。ラインバトル時代の兵士は、密集体形をつくって前進したので、原色であってもなくても変わりはなかった。

銃が原色の軍服を導入させたものの、銃が原色の軍服を追い出した。後装式小銃の登場で、射程距離が長くなり、狙撃兵が活躍した。20世紀を前後して軍隊は原色を止め、あまり目立たない暗くてくすんだ色の軍服を導入する。原色の危険を知って早く変えた国もあるが、色は国家の象徴だと拒否した国もあった。戦闘で数千人が抹殺される悲劇を経験して変えることになるのだが。

それでも一部はこの措置を非難した。フランスが赤いズボンを止めると、「赤いズボンがまさにフランスだ」と憤った。観念で包装した過去にはそうだったかも知れないが、狙撃兵と機関銃、大砲が支配する戦争で赤いズボンは血のついたズボンにすぎない。

あまりにも明白で当然のことなのに、数千、数万人の血を流してやっと誤りが修正される。人類は優れた頭脳、知性と常識を持ったと自負する。しかし、人間を宇宙に送り、生命を創造までするようになっても、血の海になってやっと赤いズボンを替える愚かさはたやすくは改善されない。実に不可思議なことだ。