韓国に対する輸出規制強化措置と関連して、日本政府は今も頑なだ。先月11日に就任した菅原一秀・経済産業相は最近、日本メディアとのインタビューで、「政府の立場は変わらない。微動だにしない」と明らかにした。規制の実務を担う岩松潤・経済産業省貿易管理課長も3日、記者に、「(輸出を望む企業が)審査基準に合うよう申請すれば問題ない。(輸出規制の)方針も変わらないだろう」と話した。
日本が輸出規制強化に出た背景は、韓国大法院(最高裁)の元徴用工賠償判決だった。日本政府は、元徴用工問題をめぐって依然として強硬だ。安倍晋三首相は4日に開会した臨時国会で、「国際法に基づき、国と国との約束を遵守することを求めたい」と話した。茂木敏充外相も同日、日本経済新聞とのインタビューで、「日本企業の正当な経済活動を保護する観点においても、すべての選択肢を視野に置いて毅然として対応していく」と述べた。このような政府の強硬方針により、日本企業と旅行業界に火の粉が降りかかっている。
●苦戦する日本の核心部品輸出業者
大阪の森田化学工業は、中堅の半導体素材会社だ。半導体基板(ウェハー)を削って出す時に使う高純度のフッ化水素を生産する。今年7月4日から同社の対韓輸出は全面停止した。日本政府から1件の輸出許可も受けることができなかったためだ。森田化学工業の関係者は記者に、「主務省庁の経済産業省に何度も相談を要請し、許可を受けるために努力したが、まだ韓国に輸出できていない。いつか分からない許可が下りることだけを待っている」とため息をついた。日本政府が先月末、昭和電工が生産したフッ化水素を三星(サムソン)電子とSKハイニックスに輸出することを許可したが、森田化学工業のように輸出規制品目に含まれた核心部品の輸出業者は苦戦している。
過去にはフォトレジストや含フッ素ポリイミドを韓国に輸出する時、輸出許可申請書など3つの書類だけ出せば良かったが、規制強化後は7~9点の書類を出さなければならない。日本政府は7月の規制強化発表当時、「許可期間が通常の最大90日ほど長くなる」と主張した。しかし、日本企業は予想できない「追加資料」も準備しなければならず、90日より長い時間が必要だと話した。森田化学関係者は、「このように多くの書類を準備しなければならい。許可にこのように長い時間がかかるとは思わなかった」と話した。日本のある企業家は、「政府が輸出規制強化によって日本企業も被害を受けているということを忘れているようだ」と話した。
輸出規制強化による日本産業界の被害はかなり大きい。韓国産業通商資源部によると、7~8月の韓国の対日輸出減少率は-3.5%だが、同期間の日本の韓国輸出減少率は-8.1%にのぼる。
●韓国人観光客、急減
特に、韓国の反日感情が激しく、日本製品の不買運動が起こっていることが日本政府の悩みだ。先月27日、日本財務省によると、8月の日本のビールの韓国輸出額は5009万円(約5億6190万ウォン)で、昨年同期6億4300万円(約72億1380万ウォン)より92%減少した。
日本を訪れる韓国人観光客も急減した。8月に日本を訪れた韓国人観光客(30万8700人)は昨年同期(59万3941人)より48%減った。減少幅は2011年3月の東日本大地震発生直後以降、最も大きい。来年7月の東京五輪開催を控え、安倍氏が掲げた「2020年訪日観光客4千万人」目標も支障が避けられないと指摘されている。観光庁を管轄する赤羽一嘉国土交通相が先月28日、「韓国は日本に文化を伝えた恩人のような国」と述べ、関係改善を促したこともこれと無関係ではない。
日本の半導体企業は、自己救済策づくりに乗り出した。フォトレジスト分野で世界シェア20~30%を占める東京応化工業関係者は、「韓国への納品に支障がないよう仁川(インチョン)の生産工場を増設している」と話した。
東京=キム・ボムソク特派員 bsism@donga.com