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天災地変とパニック現象

Posted October. 12, 2019 08:23,   

Updated October. 12, 2019 08:23

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「ヨハネ黙示録に出てくる審判の日が来ました」。1883年11月、空に流星が雨のように溢れた。ヨハネ黙示録は終末の時を「空の星が地に落ちて」と描写する。人々はいよいよ審判の日が来たと考えた。人々は泣き叫び、教会に行って夜を明かした。貴重品を持って山に逃げる人もいた。学者が単なる大流星雨現象だといくら説得しても信じなかった。当時の人々を恐怖に追い込んだのは何だったのだろうか。33年ごとに太陽系に来るテンペル・タットル彗星が残して行った大流星雨現象だった。

米国で1938年に火星人が攻撃してくるというラジオドラマが放送された。放送を事実と信じた約100万人が避難した。パニックに陥った人々の行動で多くの事故が発生した。「69年4月4日、カリフォルニア州は大地震で破壊される」という予言が広まった。人々は恐怖に震え、カリフォルニア州を離れる行列ができた。いくら政府が事実無根だと言っても効果がなかった。2011年春、日本の東北地方にマグニチュード9.0の強力な地震が発生した。強力な地震に続く津波が東北の海岸地方を強打した。津波の海水は福島の海辺に建てられた原子力発電所を襲い、原発が爆発する事態が発生した。東北部地方を放射能の恐怖が襲った。多くの日本人が故郷を離れた。放射能が東風に乗って韓国に来るというデマが流れた。国民の恐怖心が広まると、政府は放射能の影響はないと説得した。すると今回は放射能がジェット気流に乗って地球を一周し、韓国に雨が降る時に混ざって降るというデマが流れた。

筆者は、科学的な根拠のないうわさを人々が信じることをいぶかしく思った。しかし、私の講義を聴く学生たちも同じだった。学生たちに全く放射能の影響がないと話したが、雨が少し降る日も、すべての学生が傘をさした。小雨の時、男子学生はよく帽子やフードだけをかぶるのに。京畿道(キョンギド)教育庁は休校令を下した。医師の兄は、雨が降った日に普段の患者の30%も来なかったと話した。ゴルフ場を経営する友人は、雨が降る日、150のチームの予約のうち何と120チームがキャンセルしたと話した。最高の科学的権威である翰林院の科学者が何の影響もないと言っても、人々は信じなかった。これは何の心理なのか。

心理学者によると、戦争、経済不安、政治危機など自身の周囲に対して何かすっきりしない不安を持ち始めれば、人々は信じられないほどデマをよく信じるという。こういう誤った信頼は、時間が過ぎて確信に変わり、行動で動揺し、社会がパニック状態に陥ってしまう。特に天候と関連した天災地変には理解できないほどの心理的現象が発生するという。今月も台風18号「ミタク」で途方もない被害が発生した。将来には気候変動のために、被害がひどい自然災害が発生するだろう。強力な自然災害に遭っても、人々がパニックにならないことを望む。冷静で賢明に対処すれば、被害を大いに減らすことができるためだ。