Go to contents

W杯予選の平壌アウェー、韓国代表にはだかる壁

W杯予選の平壌アウェー、韓国代表にはだかる壁

Posted October. 12, 2019 09:29,   

Updated October. 12, 2019 09:29

한국어

「平壌(ピョンヤン)アウエーが怖いと感じる選手がいたら、連れて行かない」

サッカー韓国代表のパウロ・ベント監督(写真)は10日、ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選のスリランカ戦を終えて、異例の強気の発言をした。15日、平壌の金日成(キム・イルソン)競技場で北朝鮮との第3戦を控えている選手たちが、試合の「特殊性」のために重圧に押しつぶされてはならないという意味だ。主将の孫興民(ソン・フンミン=トッテナム・ホットスパー)も、「僕たちは試合に集中しなければならない」と言い、サッカー以外の要因に振り回されてはならないと力んだ。1990年の親善試合以降、29年ぶりに平壌で行われる男子サッカーの南北戦でベント号が乗り越えなければならない壁は何なのか。

韓国は、金日成競技場を埋め尽くす北朝鮮観衆の一方的な応援と戦わなければならない。韓国からの応援団の訪朝は、テレビ中継陣と報道陣の訪朝が事実上流れたからだ。2017年に金日成競技場で女子アジアカップ予選(1-1)を行ったユ・ドクヨ元代表監督(58)は、「5万の観衆があげる歓声の威圧感はかなりのものだった」と話した。黄金色の紙製メガホンと銀色の折り畳みハンドクラッパ―を手に持った応援団長の指示に従って「朝鮮青年行進歌」「行くぞ白頭山へ」などの歌を合唱しながらウェーブ応援をした。「思い知らせてやれ」と言ったシュプレヒコールやクラッパ―の音は耳が詰まるような思いだったし、韓国選手がボールを取る時はヤジが飛んだ。

北朝鮮選手との体当たりや危険なラフプレーにも注意が必要だ。ユン氏は「女子サッカーは北朝鮮(FIFAランキング9位)が韓国(20位)より優位にいる。しかし、男子は韓国(37位)が北朝鮮(121位)より客観的な戦力面で格上だ。北朝鮮も、これを承知の上なのでホームで負けないためにも、さらに激しい体当たりを仕掛けてくる可能性がある」と話した。金日成・金正日(キム・ジョンイル)親子の大型肖像画が掛けられている金日成競技場は、「北朝鮮サッカーの聖地」と呼ばれる。2年前、女子南北戦にGKとして出場したキム・ジョンミ(現代製鉄)は、「当時、私たちが試合開始前に『負けるなよ』と叫ぶと、北朝鮮選手たちが「死んで出るぞ」と応酬していた。気迫で押されないことも重要だが、冷静さを失ってはならない」と語った。

金日成競技場の人工芝も不安材料だ。韓国選手たちは殆どが所属クラブや代表チームで天然芝でプレしている。大韓サッカー協会の関係者は、「人工芝は天然芝に比べてサッカーシューズのスパイクが地面に刺さり難い。このためスタッドが長いシューズを履くとDFが方向転換する際に滑りやすい」と話した。代表チームは、試合前日(14日)の公式練習をで金日成競技場の芝への適応を図る予定だ。


鄭允喆 trigger@donga.com