年金社会主義への道を拓く資本市場法施行令改正は再考すべきだ
Posted October. 17, 2019 08:11,
Updated October. 17, 2019 08:11
年金社会主義への道を拓く資本市場法施行令改正は再考すべきだ.
October. 17, 2019 08:11.
by 金光賢 kkh@donga.com.
韓国経営者総協会が16日、政府が先月に立法予告した資本市場法施行令改正案の全面撤回を要求すると政府に意見を提出した。現行の資本市場法は、単純投資の目的で5%以上の持分を持つ株主が経営に参加することを非常に厳しく制限している。しかし、施行令改正案は、国民年金のような公的年金基金が企業支配構造の改善のために定款変更を推進する場合、「経営に影響を及ぼすためのもの」でないとした。また、会社や役員が違法行為をした場合、年金基金がこれに対応する行為も経営に影響を与えないと規定した。この場合、国民年金が単純投資目的の株主であっても、いくらでも経営に意見を陳述できるということだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、大統領選の時から公約で国民年金のいわゆるスチュワードシップコードを強化し、大企業の総師を牽制する考えを表明してきた。今回の資本市場法施行令改正もその一環だ。国民年金は630兆ウォンを運用し、国内証券市場だけで130兆ウォン近く投資している国内最大の投資家だ。国民年金が単純投資目的で5%以上保有した上場企業は300社に近い。施行令改正案が可決されれば、以前に比べてはるかに容易に企業の経営に介入できることになる。改正案は常識に合わない条項も目につく。支配構造改善のための定款変更が経営に影響を与えるためのものではないと規定したが、これは常識と論理に反する。国民年金の金融当局の報告義務を弱体化させたのも世界的な傾向と合わない。ただでさえ国民年金基金運用本部は、加入者の老後資金で経営権介入を試みてきた。今年3月、国民年金基金運用本部が、故・趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進(ハンジン)グループ会長の大韓航空理事選任に反対し、崔泰源(チェ・テウォン)SK会長の理事選任に対しても反対の意思表示をし、その理由に掲げたのが「企業価値の毀損」と「株主の権利の侵害」だ。今後、政府統制下の国民年金が曖昧な判断基準で、主要企業や最高経営者の去就を左右し、統制できるなら、これは他でもない年金社会主義だ。国民年金は、金を増やして老後の資金に回すために政府に運営を任せたのであって、これを利用して政権が自分の考えに合わない企業をこらしめることが用途ではない。そのような意図はなく、ただ投資した企業と国民年金の長期的収益のためと主張するなら、まず国民年金の支配構造から変えなければならない。公的年金が株式議決権を持つ経済開発協力機構(OECD)17ヵ国のうち、最高意思決定機関のトップが、大統領が任命する現職長官である国は韓国しかない。国会の議論手続きが必要のない施行令改正を推進することも見え透いている。全面的な再考が求められる。
한국어
韓国経営者総協会が16日、政府が先月に立法予告した資本市場法施行令改正案の全面撤回を要求すると政府に意見を提出した。現行の資本市場法は、単純投資の目的で5%以上の持分を持つ株主が経営に参加することを非常に厳しく制限している。しかし、施行令改正案は、国民年金のような公的年金基金が企業支配構造の改善のために定款変更を推進する場合、「経営に影響を及ぼすためのもの」でないとした。また、会社や役員が違法行為をした場合、年金基金がこれに対応する行為も経営に影響を与えないと規定した。
この場合、国民年金が単純投資目的の株主であっても、いくらでも経営に意見を陳述できるということだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、大統領選の時から公約で国民年金のいわゆるスチュワードシップコードを強化し、大企業の総師を牽制する考えを表明してきた。今回の資本市場法施行令改正もその一環だ。
国民年金は630兆ウォンを運用し、国内証券市場だけで130兆ウォン近く投資している国内最大の投資家だ。国民年金が単純投資目的で5%以上保有した上場企業は300社に近い。施行令改正案が可決されれば、以前に比べてはるかに容易に企業の経営に介入できることになる。
改正案は常識に合わない条項も目につく。支配構造改善のための定款変更が経営に影響を与えるためのものではないと規定したが、これは常識と論理に反する。国民年金の金融当局の報告義務を弱体化させたのも世界的な傾向と合わない。
ただでさえ国民年金基金運用本部は、加入者の老後資金で経営権介入を試みてきた。今年3月、国民年金基金運用本部が、故・趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進(ハンジン)グループ会長の大韓航空理事選任に反対し、崔泰源(チェ・テウォン)SK会長の理事選任に対しても反対の意思表示をし、その理由に掲げたのが「企業価値の毀損」と「株主の権利の侵害」だ。今後、政府統制下の国民年金が曖昧な判断基準で、主要企業や最高経営者の去就を左右し、統制できるなら、これは他でもない年金社会主義だ。
国民年金は、金を増やして老後の資金に回すために政府に運営を任せたのであって、これを利用して政権が自分の考えに合わない企業をこらしめることが用途ではない。そのような意図はなく、ただ投資した企業と国民年金の長期的収益のためと主張するなら、まず国民年金の支配構造から変えなければならない。公的年金が株式議決権を持つ経済開発協力機構(OECD)17ヵ国のうち、最高意思決定機関のトップが、大統領が任命する現職長官である国は韓国しかない。国会の議論手続きが必要のない施行令改正を推進することも見え透いている。全面的な再考が求められる。
金光賢 kkh@donga.com
アクセスランキング