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鳥のように自由に飼いならすことのできない愛よ…

鳥のように自由に飼いならすことのできない愛よ…

Posted October. 21, 2019 08:47,   

Updated October. 21, 2019 08:47

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「カルメンは湿気と落ち込んだ気持ちを吹き飛ばす太陽のオペラである。豊かで精密であり、建築的に完璧だ」(フリードリヒ・ニーチェ)

ワーグナーに陥っていた哲学者も振り向かせたビゼーのオペラ「カルメン」は、サラサーテがバイオリン曲「カルメン幻想曲」に編曲して弦楽愛好家までを捕え、オペラの初心者さえ初めて見た瞬間魅了させる作品だ。2015年、ソウル芸術の殿堂の芸術大賞受賞で実力の検証を受けたsolopera(イ・ソヨン団長)が、フランス音楽劇の代名詞「カルメン」を芸術の殿堂オペラ劇場の舞台に上げる。

「ファム・ファタール」の代名詞であるジプシー女・カルメンとハンサムで無邪気な副士官ドン・ホセの致命的な愛を描いたこのオペラは、スペイン・アンダルシアの派手なリズムが地中海の日差しの中に観客を誘う。欧州全域のオペラ劇場で天才舞台デザイナーとして認められてきたジャーコモ・アンドリーコが舞台をアンダルシア特有のまぶしい白いしっくい壁で飾る。2016年、イタリア南部カターニアの古代劇場でベリーニ「ノルマ」を全席完売させたジャンドメニコ・バカリが演出を担当する。

背景は19世紀初頭のセビリア。故郷の乙女ミカエラと結婚のことが取り交わされていた副士官のドン・ホセは、タバコ工場の女工カルメンに心を奪われて脱営を犯し、盗賊の群れに割り込む。しかし、「愛は鳥のように自由で、飼いならすことができない」と歌うカルメンの心は、すぐにドン・ホセに飽きることになるが…。

ジプシー女カルメン役には、ミラノ・スカラ座をはじめ、全世界で現役最高のカルメンを披露しているジュゼッピナ・ピウンティーが、国内トップのメゾソプラノ・チュ・ヒミョンとダブルキャスティングで出演する。純真な男ドン・ホセ役は、2015年、全欧州映画館で上映された「カルメン」の実況映像で歌唱力と演技力が一緒に証明されたジャンカルロ・モンサルべ、ヴェローナ野外オペラなどで好評を受けたダリオ・ディ・ヴィエトリが演じる。ドン・ホセの故郷の恋人ミカエラはソプラノ・キム・ウンヒとファン・ジンア、「闘牛士の歌」で2幕の「シーンスティラー」となる闘牛士エスカミヨは、バリトンのエリア・ファビアンとウ・ジュホが出演する。

「カルメン」は、聴覚だけでなく、視覚的にも華やかなスペインの踊り曲が観客を虜にしなければならない。キューバで逆輸入された「ハバネラ」、乾燥した空気が漂う「セギディーリャ」、闘牛士たちの入場を彩る「パソドブレ」など、スペイン・ダンスをスペインのカスティーリャラマンチャ大学で修士号を取ったイ・ヘギョン・オープンシアター代表が振り付けと監督を引き受けて披露する。

昨今オペラのアルバム界をアントニオ・パッパーノと二分している巨匠アルベルト・ヴェロネージが指揮をする。彼はボローニャ・コミュナーラ劇場の芸術監督トッレ・デル・ラーゴ・プッチーニフェスティバル代表を務めている。ドイツ・グラモフォン(DG)ラベルとして、プッチーニ「エドガー」、ジョルダーノ「フェドーラ」、マスカーニ「友人フリッツ」などのオペラ全曲盤を発売してきた。プライム・フィルハーモニー管弦楽団とウィーンオペラ合唱団が出演する。

11月16日午後7時、17日午後5時。3万~25万ウォン。www.solopera.com、お問い合わせは1544-9373まで。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com