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北朝鮮が「延坪島を忘れたか」と脅迫、軍は「忘れていない」と自信を持てるか

北朝鮮が「延坪島を忘れたか」と脅迫、軍は「忘れていない」と自信を持てるか

Posted October. 22, 2019 08:40,   

Updated October. 22, 2019 08:40

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北朝鮮の対南宣伝メディアが最近、「延坪島(ヨンピョンド)を忘れたか」と題する映像をホームページに掲載した。李承都(イ・スンド)海兵隊司令官が15日、国政監査で、「有事の際、咸朴島(ハムバクド)を完全に焦土化する計画を立てた」と明らかにしたことをめぐって、「2010年に我が軍隊の火の雨を味わった者が妄言を吐いている」と脅迫したのだ。

最近の北朝鮮の対南妄言は強度を増している。険悪な言葉で南北間の緊張を高める典型的な手法だ。延坪島砲撃挑発は2010年、北朝鮮が哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没に続き韓国戦争後初めて韓国の領土に砲撃を加え、韓国国民2人と海兵2人の命を奪った決して忘れることのできない事件だ。李氏は当時、延坪部隊長として北朝鮮挑発に対応した人物だ。北方限界線(NLL)北側にあって、韓国の地番を持つ咸朴島の北朝鮮軍監視装備に対して、海兵司令官として有事の際の無力化の計画を明らかにしたことは極めて当然だ。鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官も李氏の発言に対して「決然たる態度を示した」と述べた。

しかし、果たして韓国軍が延坪島事件をはっきり記憶していると自信を持って言えるのかは疑問だ。鄭氏は21日、「抗議声明を出せ」という野党議員の主張に「いちいち対応する価値さえない」と述べた。むろん、北朝鮮の言葉の挑発に対応する必要はない。しかし、鄭氏は天安艦・延坪島事件を「西海(ソへ・黄海)上で起きた思わしくない衝突」と発言したことがあるため、後味がすっきりしない。北朝鮮の厚かましい態度は、南北和解という大義名分の下、北朝鮮の行動を質さずにやり過ごした政府の態度が生んだブーメランでもある。

昨年から西海のNLL付近では砲声が止んだ。南北軍事合意によって南北が一切の砲射撃訓練を中止したためだ。韓国の海兵部隊は西海5島でのK9自走砲射撃訓練を止め、その空白を埋めるために陸地で射撃訓練をしている。しかし、それ以上の進展はない。北朝鮮はむしろ過去の自分たちの挑発を取り出して脅迫している。軍は言葉ではなく徹底した報復態勢で見せなければならない。これまで韓国が見せた忍耐と寛容を北朝鮮が虚弱と油断で誤って判断する可能性があることも肝に銘じなければならない。