追い越すためには、車線を変えなければならない
Posted October. 28, 2019 09:36,
Updated October. 28, 2019 09:36
追い越すためには、車線を変えなければならない.
October. 28, 2019 09:36.
by コ・ギジョン記者 koh@donga.com.
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の22日の国会施政演説は、政府と韓国銀行の経済成長率発表時点の間に行われた。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は、施政演説二日前に、今年の成長率予測値を2.0~2.1%と従来より大幅に下方修正し、韓国銀行は施政演説2日後に、第3四半期の成長率を0.4%と集計し、年間2%の成長は難しいだろうと予測した。成長率は、経済政策の総合成績表である。任期初年度は3.2%、翌年は2.7%、今年は1%台の成長であれば、施政演説には、これについての悩みと反省が盛り込まれるべきだった。文大統領はその代わり、「韓国経済の堅実さは、私たち自身よりむしろ世界のほうで高く評価している」と述べた。世界で高く評価している韓国経済の堅実さは、そのほとんどが過去の政府が残した遺産である。演説で例に挙げた世界経済フォーラム国家競争力評価のマクロ経済の安定性は、財政と外貨準備高が重要項目である。現政府に入って財政がふんだんに放出されているにも関わらず、まだ健全だと評価されるのは、経済開発初期から国の財政を満たすために努力してきたおかげである。情報通信分野も2年連続で1位だったと主張しているが、今の政府ではいったい何をやったのか疑問だ。現政府のおかげで韓国経済が堅調であれば、所得主導成長の結果を示すべきだった。ところが、韓国銀行の成長率統計では、所得主導成長の結実で民間消費が増えたという証拠を見つけることができない。大統領は最下位階層の所得が伸びたと主張したが、就職で稼ぐ勤労所得はむしろ大きく減少した。結論として、今回の施政演説では「成長率」という言葉自体がなかった。公正は27回言及された。昨年の施政演説で公正が10回取り上げられたことに照らして、政権後半の文大統領が経済をどこに率いていくか推し量ることができる。大統領の辞書には、公正が技術革新、成長、未来と関連しているようだが、企業の辞書で公正は、規制や政争、過去と関連しているようだ。これまで示した経済政策がそうだったように。実は、施政演説後に会った企業家の中で、公正経済や平和経済を覚えている人はほとんどいなかった。関心がないというよりは、期待がないからだろう。資本は、現在の収益率ではなく、将来の期待収益率を見て動く。期待がなければ去るものだ。笑い話で、すでに会社を海外に移したなら100点、今移そうと準備するなら0点、海外から国内にUターンしようとするならマイナス100点だという。中国で事業所を運営するとある知人は、「どれだけ苦労して脱出した韓国なのに…」と再び戻ってくることはないだろうと話した。中国から東南アジアに工場を移すことはあっても、韓国は選択肢ではないという。最近、個人を対象にした海外移民説明会でさえ毎回満席なのを見ると、企業の気持ちも変わらないだろう。今、大統領の時間はあまり多くない。施政演説ではこのような言葉が一言もなかったが、規制緩和を行い、労働改革に取り組み、産業構造調整も急がなければならない。そのためには、診断からきちんと行う必要がある。「革新の力」が蘇っていると主張しながら、昨年、新規ベンチャー投資が過去最高を記録したと主張するのは、きちんとした診断ではない。大統領直属第4次産業革命委員会委員長は、「スタートアップでは、自分の利益のために自主的に週52時間を遥かに超えて働くことが多いが、彼らの働く権利を国が奪っている」と吐露した。主力産業の不振で市場流動性の一部がベンチャーに流れて行ったが、それさえもベンチャーはとんでもない制度の規制が足かせとなっている状況だ。成長を放棄したなら、それまでだが、経済が回復してほしいなら、政策から変えなければならない。追い越すためには車線を変えらなければならないのと同じだ。所得主導成長が過ぎ去った場所に、公正経済や平和経済を入れることは本当にとんでもないことだ。
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文在寅(ムン・ジェイン)大統領の22日の国会施政演説は、政府と韓国銀行の経済成長率発表時点の間に行われた。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は、施政演説二日前に、今年の成長率予測値を2.0~2.1%と従来より大幅に下方修正し、韓国銀行は施政演説2日後に、第3四半期の成長率を0.4%と集計し、年間2%の成長は難しいだろうと予測した。成長率は、経済政策の総合成績表である。任期初年度は3.2%、翌年は2.7%、今年は1%台の成長であれば、施政演説には、これについての悩みと反省が盛り込まれるべきだった。
文大統領はその代わり、「韓国経済の堅実さは、私たち自身よりむしろ世界のほうで高く評価している」と述べた。世界で高く評価している韓国経済の堅実さは、そのほとんどが過去の政府が残した遺産である。演説で例に挙げた世界経済フォーラム国家競争力評価のマクロ経済の安定性は、財政と外貨準備高が重要項目である。現政府に入って財政がふんだんに放出されているにも関わらず、まだ健全だと評価されるのは、経済開発初期から国の財政を満たすために努力してきたおかげである。情報通信分野も2年連続で1位だったと主張しているが、今の政府ではいったい何をやったのか疑問だ。
現政府のおかげで韓国経済が堅調であれば、所得主導成長の結果を示すべきだった。ところが、韓国銀行の成長率統計では、所得主導成長の結実で民間消費が増えたという証拠を見つけることができない。大統領は最下位階層の所得が伸びたと主張したが、就職で稼ぐ勤労所得はむしろ大きく減少した。
結論として、今回の施政演説では「成長率」という言葉自体がなかった。公正は27回言及された。昨年の施政演説で公正が10回取り上げられたことに照らして、政権後半の文大統領が経済をどこに率いていくか推し量ることができる。大統領の辞書には、公正が技術革新、成長、未来と関連しているようだが、企業の辞書で公正は、規制や政争、過去と関連しているようだ。これまで示した経済政策がそうだったように。
実は、施政演説後に会った企業家の中で、公正経済や平和経済を覚えている人はほとんどいなかった。関心がないというよりは、期待がないからだろう。資本は、現在の収益率ではなく、将来の期待収益率を見て動く。期待がなければ去るものだ。笑い話で、すでに会社を海外に移したなら100点、今移そうと準備するなら0点、海外から国内にUターンしようとするならマイナス100点だという。中国で事業所を運営するとある知人は、「どれだけ苦労して脱出した韓国なのに…」と再び戻ってくることはないだろうと話した。中国から東南アジアに工場を移すことはあっても、韓国は選択肢ではないという。最近、個人を対象にした海外移民説明会でさえ毎回満席なのを見ると、企業の気持ちも変わらないだろう。
今、大統領の時間はあまり多くない。施政演説ではこのような言葉が一言もなかったが、規制緩和を行い、労働改革に取り組み、産業構造調整も急がなければならない。そのためには、診断からきちんと行う必要がある。「革新の力」が蘇っていると主張しながら、昨年、新規ベンチャー投資が過去最高を記録したと主張するのは、きちんとした診断ではない。大統領直属第4次産業革命委員会委員長は、「スタートアップでは、自分の利益のために自主的に週52時間を遥かに超えて働くことが多いが、彼らの働く権利を国が奪っている」と吐露した。主力産業の不振で市場流動性の一部がベンチャーに流れて行ったが、それさえもベンチャーはとんでもない制度の規制が足かせとなっている状況だ。
成長を放棄したなら、それまでだが、経済が回復してほしいなら、政策から変えなければならない。追い越すためには車線を変えらなければならないのと同じだ。所得主導成長が過ぎ去った場所に、公正経済や平和経済を入れることは本当にとんでもないことだ。
コ・ギジョン記者 koh@donga.com
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